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Re:ALICE

表題作と「GOOD-BYE JOURNEY」の2本立て。
この2作品は、西田さんが行っているワークショップの、
卒業公演の為に書き下ろされたもので、
「クラシックス」というシリーズ名がついています。

ワークショップということで、演者は生徒たち。
何かを始める者たちにとっての、エールになればと思って、書かれたそうです。
なので、作品のあちこちに、そんな思いが込められている気がします。

ワークショップの期間は1年間。
出逢いがあれば、必ず別れもやってきます。
その限られた期間を、新たに出逢った人たちを一緒に、何かを作り上げていく。
ひとつひとつ、情熱をもって取り組んでいく。
私もその経験、わかります!
そしてその先に、こんなに素敵な卒業公演が用意されていたら、
もう感無量ですよね!


Re:ALICE
「鏡の国のアリス」をモチーフにした作品。
アリスのあのあべこべさは、子供の時にこそ通用する面白さだと思う。
大人になると伝わらなくなってしまうのは寂しいですよね。
その点、表現者はずっとそういう気持ちを抱いているのではないかと思うのです。

といっても、この作品はアリスそのものではなく、全く別の世界でのお話。
ざっくり言うと、「緑の少女を探す少女と少年達の、消えない痛みの冒険物語」です。
精神世界に関わるので、抽象的な世界観なのですが、
演じる以前に読み込むのがなかなか難しいかと思います。

この作品で登場人物が抱える痛みは、ファンタジーな世界観から想像するより、
深くて重いものでした。
現実にも、人それぞれが抱える「痛み」。
人は痛みを覚え、忘れもする。でも消えることはないですよね。
忘れないように刻んでおく人もいれば、記憶の底に封じ込める人もいる。
そのどちらが正解かなんて言えない。
大事なのは、その人が痛みをちゃんと認識して、受け入れられているか。

人それぞれに痛みがあって、その受け止め方があるように、
この作品では、それぞれが主人公のように、私には思えました。
お芝居って登場人物が増えるほど、主役と端役に格差が生まれがちで、
端役になった時は、そのシーンに至るまでを自分で埋めなくちゃいけないですけど、
そういう意味で、この作品はそういういわゆる「端役」的なものがない。
どの役になってもハイライトがあるのです。
こういう作品ってなかなか珍しいですよね。
まさしく卒業公演という「はなむけ」にふさわしい!
表現を始めたばかりの人にとって、これは大きな糧になると思うのです。

そんな誰が主役かわからない中で、冒険をするのは
キティ、リキ、ルークという、一人の少女と二人の少年。
携帯電話にメッセージが届き、それをヒントに緑の少女を探すというゲームは、
今で言うところの謎解きゲームのようです。
誘われる場所(ダンジョン的なもの?)が、「春の海」など、
季節の名前がつけられているのがまた素敵。
西田さんは公演のことを「season」と数えるので、
季節にとてもこだわりがあるんだろうなぁ、と思います。

各ステージでは各々指令があるのですが、中でも「春の海」でのゲームは面白かった。
平たく言うと背比べなのですが、正解があとでわかる背比べ。
何かの順番を予想して並ぶんだけど、そのお題があとからわかると言う。
実際の劇中ではほぼアドリブになるかな?
だけどこの部分だけを取り上げて、ウォーミングアップとしても使えそうですよね。

アリスといえば、ハンプティ・ダンプティ。
この作品にも登場してきて、ゲームへ誘う役割のサダム・Nが、
「ハンプティ・ダンプティ」を名乗っています。
サダム・N役になった人は、見た目の役作り、しっかりやらないとですね。

さて、大事なキーワードとなる「緑の少女」とは何なのか?
これも役柄によって違うし、正解は一つではないのだと思います。
それぞれが自分の「緑の少女」を見つけること。
それが、この作品を演じる中での課題だと思います。


GOOD-BYE JOURNEY
こちらは、百年戦争でオルレアンを解放した一人の少女、
ジャンヌ・ダルクの物語。
この作品は、ワークショップだけにとどまらず、
アンドレの本公演でも上演されました。
その時ジャンヌを演じられたのは、高梨臨さんだったんですよね!

ジャンヌは本当に普通の少女。
羊飼いの娘で、剣など握ったこともない。
ただ、天の声を聞いたとかで、本人もよくわからないまま、
「聖女」としてまつりあげられてしまいます。

何もない少女が、国を任されるとは、どれほどのプレッシャーだろうか。
自分で望んで獲得したものは別として、
舞台でも仕事でも、自分の知らないところで、
何かに選ばれるというシチュエーションはあると思います。
それが本人にとって必ずしもすんなり受け入れられるとは限らず、
時に何かを失わせてしまうこともある。
選ぶ方は本当にそこをしっかり考えてほしいと思うわけですけれども。

ジャンヌは自分の運命を受け入れて、彼女なりなひたむきさで頑張ってきました。
だからこそ、ジル・ドレをはじめ、オリヴィエ、ジャン…と、
戦場の猛者たちがついてきたんだと思う。

舞台のことで言えば、主役ひとりがいたところで、お芝居は成立しない。
しっかり支えてくれる共演者たちがいるのです。
この作品はその構造がとてもしっかりしていて、
安心して演じられるのではないかと思います。

世の中には「主役」になるタイプの人と、「助演」になるタイプの人がいます。
私は何かの主役になるタイプではありません。
だけど、精一杯、主役を支えられる人間になりたい。
田中良子さんが演じたオリヴィエのように。



とはいえ、人生においては、誰もが主役なんですよね。
だとしたら、支えてもらえる人を大事にして、
自分が主役の人生をしっかり生きる。
逆に、誰かが主役の人生においては、最強の助演になる。
要は、主役でも、助演でも、与えられた役割をしっかり生きること!
とっくに生徒ではない私にも刺激になりました。



Re:ALICE (CLASSICS)

Re:ALICE (CLASSICS)

  • 作者: 西田 大輔
  • 出版社/メーカー: 論創社
  • 発売日: 2010/07/01
  • メディア: 単行本


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タグ:西田大輔
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Shall we travel??

ナオト・インティライミさんの、1stアルバム。
ナオトさんといえば、
世界28か国をバックパックで単独で巡ったことで有名ですが、
その経験やエッセンスが存分に活かされているなぁと思うアルバムです。
異文化の多様性を大いに感じる一方で、
日本人らしい聞きやすさも同居している。
これはナオトさんじゃないと作れない音楽だと思います。

「太陽の祭り」という意味の名前をもったナオトさんらしく、
まるで太陽のように明るくエネルギッシュな楽曲がいっぱい!
なかなか明るい話題の少ない昨今、ついついネガティブ思考になってしまいますが、
ちょっとでも笑顔を取り戻せるように、
心の栄養となってくれるアルバムだと思っています。

テキナビート
ジャイヴ、モータウン、ロカビリーに、
イマドキのR&Bエッセンスも配合した、
いわゆる本編へのエスコートソング的役割です。
これがインティライミ的なBeat!
私はあまり聞いたことのないジャンルだったので、
何もかもが新鮮です!

カーニバる?
カリブ音楽のソカを超高速に仕立てた1stシングルです。
サビの♪オーオー オーオーオーというコーラスのところは、
一発で耳に入って、一緒に歌いたくなる!
これはナオトさんの狙い通りです。

HOT! HOT!
ミドルテンポのアーバンなソカからの、爽やかなカリプソナンバー。
カリブ海の燦々と降り注ぐ太陽を思い出しながら作ったそうです。
海沿いのドライブなんかにもいいですね♪

タカラモノ~この声がなくまるまで~
切なくスムーズな四つ打ちに仕上げた、2ndシングル。
好きという気持ちが強まると切なさも募る。
そんな表裏一体の気持ちがせめぎあって、爆発していく曲にしたかった、と。
切ない感じなんだけど、よく聴いていると、愛しさも感じられました。
こんなに想ってもらえてたら嬉しいよね。

夏音
ドリーミーな雰囲気と力強さが同居したセンチメンタルチューン。
二人で共に愛を育んでいこうという歌詞のラブソングです。
アルバムタイトルが「Shall we ~?」となっているように、
「一緒に」というコンセプトと通ずるものがあります。
これは結婚式でも使えそう!

インディペンデント・ワールド
湘南の七里ガ浜で一発撮りライブレコーディング!
まさにリアルな生音が詰まった、サーフミュージックです。
自立と自由と共生の意味合いについて考えさせられる、
ホープフルなメッセージソング。

Oh! My destiny
自己紹介ナンバーで、この曲聞いたら、ナオトさんのこれまでの人生がまるわかり!
ナオトさんが訪れた全28か国の国名も登場。
ナオトさんが敬愛するスティービー・ワンダーの、
ある曲名が曲の途中に飛び出します。
ちゃっかり、自身の著書も宣伝しちゃってます!読んでみようかしら。
音はドゥワップとモータウンとヒップホップのハイブリッド。

星の住人
世界旅行中のペルーで歌詞とメロディーを書いたそうです。
旅で多くの土地と人に触れたナオトさんが感じた、
「お金や物事の真の価値とは?」という問いかけが歌詞のテーマ。
サウンドはジャズファンク系のリズムに、
コズミックなディスコ風味をブレンドしています。星だけにね。

こっちへおいで
旅から帰国後すぐに作った曲だそうです。
ドミニカ共和国発祥のバチャータの要素を用いながら、
音色的にはアフリカンミュージックの匂いを感じます。
ロマンティックなラブソングですが、
実は裏テーマは平和祈念ソングなんです。

WA WA WA
高速ソカにUK生まれのドラムンベースを少しまぶしたアッパーチューン。
イメージは、海沿いをドライブしたあとに到着したビーチパーティーのテーマ曲。
タイトルは輪だったり、和だったり、話だったり、
歌詞の内容から考えると、いろいろな意味に取れます。

キミライフ
テーマは恋したときの男の歯痒さ。
男も仕事と恋の両立に悩むものだそうですね。ドラマなんかでよくある。
コーラスを入れずに一声で歌われたボーカルは、とてもエモーショナル。
歌詞の最初に出てくる「ため息」は切ないのですが、
最後に出てくる「ため息」は温かな愛に満ちていて、演技派だなぁと思いました。

Rising sun
ライブの最後で歌うことをイメージして書かれた、
ハッピーオーラ満載のラガファンク曲。
歌詞はナオトさんからファンへのラブレターです。
みんなと一緒に笑い、一緒に歌いたいというまっすぐな思いが伝わりました。
子ども向けの教育番組に近いような(?)、ピースフルな締めでした!



Shall we travel ??

Shall we travel ??

  • アーティスト: ナオト・インティライミ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・シグマ
  • 発売日: 2010/07/07
  • メディア: CD


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Dr.コトー診療所 25

まずは、島であまり見かけたことのない、ハルくんという少年の話。
コトー先生は往診の途中で、ハルくんという、
見慣れない少年と出会う。

大きなくぼみに落ちてしまったハルくんを触診したところ、
怪我はしなかったが、頭に水頭症の手術をした形跡を見抜いた。

独特の感性を持つハルくん。
海に沈む夕日を見て、涙を流していた。
「おひさまがしんじゃう」と。
内地から来たハルくんは、海にお日さまが沈むのを見るのは、
初めてだった。
そんなハルくんに、コトー先生はこう説明して諭す。
「お日さまにとって海はお布団で、これからお日さまはお休みするんだ」と。

ハルくんは、ジャーナリストの父親に連れられて島にやってきた。
母親は帰ってこないらしい。
病気のハルくんをひとりで育ててきた母親は、
仕事ばかりで家庭を顧みない父親に、愛想を尽かせた模様。

ハルくんが病気になったのは、1歳の頃。
急に熱を出して近所の医者にかかったところ、ただの風邪だと診断された。
ところが、その後も熱は下がらず、意識もなくなった。
救急車で大きな病院に運ばれたところ、髄膜炎だと言われた。
半年入院して命はとりとめたが、その後遺症で知能の発達に遅れが生じた。
ハルくんの独特な感性は、このためだったんですね。

さらに、その1年後には水頭症も患って、
一生付き合わなければいけない病気を抱えた子を、
母親ひとりで育てるのは大変なことでしょう。

そんな息子と普段からロクに向き合ったことのない父親が、
ひとりでハルくんをみられるわけがない。
案の定、健全な父子関係ではありませんでした。

ある時、ハルくんは激しく嘔吐する。
レントゲンを撮ったところ、多数の貝殻やクギが見られた。
誤飲というには多すぎて、あえて飲み込んだ異物としか思えない。
それらは皆、ハルくんが拾ってきたものだった。
ハルくんにとっては価値のあるものでも、
父親にとってはゴミとしか見られないものだった…。

異物を取り除く緊急手術が始まる。
ハルくんには、水頭症のため頭にたまった髄液を、
腹腔内に排出させるVPシャントが留置してある。
異物によって浮腫を起こした腸管の圧迫によって、
そのシャントチューブが詰まっていた。
一刻も早く開腹してシャントチューブを整復しないと!

この緊急オペを目の当たりにして、父は変わったようでした。
根は悪い人じゃなかったみたい。


さて、ここからが本題!?
診療所に岡勢美都留(おかせみつる)という研修医がやってくる。
何やら、コトー先生に憧れて、自ら志願してやってきたとか。

早速、コトー先生の往診の留守を任された岡勢先生、
左肘関節を亜脱臼した少年を「アイーン」で治しちゃったり。
「アイーン」は怪我さえ治せるなんて、最強のギャグだな!
その鮮やかさはまたたく間に噂となり、島民から一気に信頼を得た!

その他にも、小沢先生の目の異常に素早く気づいたり。
よく校庭に白線を引く時に使う石灰が目に入ったようで。
石灰って怖いんですよね。
石灰はアルカリで、体の中のタンパクを溶かしてしまう。
今回みたいに石灰が目に入った場合、じわじわ広がって、
損傷が進むと、角膜までやられて失明することがあるそうで。
そんな怖いものをよく児童に使わせていたなぁ。
今時は使ってないのかな!?

岡勢先生の勢いは古志木島だけにとどまらず、
無医村でコトー先生が定期的に往診している北志木島にも行くことに。
北志木島には医師はいないものの、看護師のミナさんがいました。
メチャクチャなようで、意外にも観察力のあるミナさん。
岡勢先生の別の一面を見抜きます。

古志木島に戻ってきた岡勢先生。
頭を打った少女、里朱(りず)ちゃんが運ばれてきます。
診察した岡勢先生は、里朱ちゃんのウソに気付く。

教員の岩崎先生や本人の話では、今朝ジャングルジムから落ちたってことだったが、
おでこにできた血腫(=タンコブ)は、今朝できたものではない。
アザやタンコブは時間が経つと紫色に変わってくる。
だからすぐにバレてしまうのです。

それからは岡勢先生は、「子供のたわいもないウソ」として取り合わない。
あの親切で優しそうな人柄とはまるで別人のよう。
それに対しコトー先生は、CT検査を提案する。
画像に黒い影が写りから、鼻水を検査したことから、
気脳症だということはわかった。
気脳症とは、髄液が流れ出るかわりに、空気が頭蓋内に入る症状。
頭を打ったことがきっかけで、頭蓋骨の底の部分にひびが入ったらしい。
鼻から出てるのは鼻水じゃなくて、
ひびから漏れ出した髄液が鼻から出ているのだった。

こうして里朱ちゃんは入院して、しっかり治療できるようになったものの、
岡勢先生の頑ななまでにウソにこだわる態度は気になる。
コトー先生と過去に何かあったの!?と思ったところで、
かなり長い休載に入ってしまうのです。
久しぶりに読んで、再開しないかなぁと、気になって仕方がない。




Dr.コトー診療所 (25) (ヤングサンデーコミックス)

Dr.コトー診療所 (25) (ヤングサンデーコミックス)

  • 作者: 山田 貴敏
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/06/30
  • メディア: コミック


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砂漠

語り手の北村を中心とした、男女5人の大学生の物語。
ロクな大学生活を送らなかった私にとって、
正直すごくうらやましいなぁと思ったのです。
そんな彼らの入学~卒業までを追っていきます。

春。出会いの春。
法学部に入学した彼ら5人は、4月のクラス飲み会で出会った。
そんなことあったなぁ~って私も思い出してみたり。
大学に入って、いきなりカルチャーショックを覚えるのは、
やっぱりお酒だよね。
私はそういう飲みの席があんまり得意じゃないので、
ただただ周りを眺めるだけだったけど。

北村も、さめた感じでその席に座っていた。
偶然、隣の席に座った鳥井に話しかけられる。
鳥井曰く、北村は鳥瞰型の学生だと言い当てる。
学生には、近視眼型と鳥観型の2タイプに分類できて、
近視眼型は目の前のことしか見えない。
一方、鳥瞰型は俯瞰で観ている。
言い方を変えれば、上から周りを見下ろしてる。
私の学生時代もずーっと鳥瞰型だったな。
でも、そんな私も近視眼型になるほど夢中になることもあったりして。

話を戻しますが、鳥井は北村とは異なり、積極的に女の子と親交を深めていく。
鳥井はせっかくだからと、北村を誘って女子に声をかける。
そのうちの一人が、南だった。
南はなんと、鳥井の中学生時代の同級生だった!
お互いにもしかして!?とは思いつつ、ここでやっとカミングアウトできたようで。
でも、慣れない新生活で、そういう人がいるのは心強いよね。
高校から一緒じゃなく、高校時代にちょっとブランクがあるっていうのが、また絶妙で。
南はほんわかしたタイプの女の子なのだけど、何やら不思議な能力を持っているようです。

そんな南とは全く異なるタイプの女子、東堂は、かなりの美人。
その見た目で、多くの男子に囲まれていたが、当の本人はつまらなそう。
そんな状態なので、北村たちもこの時はまだ、東堂に声をかけることはできませんでした。

居酒屋で各々が楽しんでいる中、強烈なキャラが遅刻してやってくる。
西嶋だ。
見た目は小太りで眼鏡の、ちょっとオタクっぽい感じの男子と想像できるのですが、
その彼は、カラオケのマイクを手にすると、勝手に自己紹介がてら、遅刻してきた理由を語る。
その理由とは、麻雀をしていて抜けられなくなったとか。
彼のこだわりで、平和(ピンフ)であがろうとしているのにあがれず、
そこから何故か世界平和の話になって、さらにはパンクロックについて語り、騒ぎだす。
支離滅裂ではあるが、衝撃的な登場でした。

今挙げたこの5人を軸に、物語が進行していきます。
5人が集まるようになったキッカケは麻雀。
それも、あの西嶋の声かけによるものだった!
何でも、苗字に東南西北がつく人がたまたま揃ったからって。
北村に至っては麻雀を知らなくて、鳥井は教えてもらいながら参加するという。
私は麻雀の基本だけは何となくわかるのですが、役満とか、詳しいことまではわからなくて。
大人のたしなみとして(?)、お酒を覚えるなら、麻雀の方を覚えたいな、なんて思ったり。
ちなみに、この作品を読んで麻雀に強くなったり、詳しくなれるわけではないですが、
麻雀のことがわからない人でも、作品自体は楽しめます。

そんな鳥井はあいにく東南西北には入ってないけど、「イーソー」という鳥の絵の牌がありますよね!
「イーソー」という名前の文鳥も飼ってるし、まんざらでもないと思う。
個人的に、鳥井の名前にちなんだ、鳥縛りの設定が好きです。
髪型も「やませみ」みたいだそうで。
そういえば一時期、「やませみ」みたいな髪型の男の人、たくさんいたよね(笑)

ともあれ、この出会いが、鳥瞰型の北村に大きな影響を与える。
それだけじゃなく、5人がお互いに成長していくのです。

また、春には新入生全員でボウリング大会があった。
西嶋のボウリングはまた、独特なものだった。
そして、鳥井の発案で、合コンもした。
でもこれが、深い痛手を負うことになる。

その頃、鳥井は女子高の生徒とか短大の女とか、あちこちに手を出してるから、
怒ってる奴がいる、という噂が流れていた。
それは鳥井なりの考えがあっての生き方なんだけど。
当人は知らず、合コンに誘われた。
相手は長谷川という短大生。
彼女がかなりの曲者で、5人の人生を狂わせる。
度々事件が起きるたび、さすがの私も、この女にはイラッとした(笑)

案の定、合コンは盛り上がらず、
男性側と女性側のテンションが全く噛み合わないのですが、
意外にも二次会に行く流れに展開する。
二次会の会場はボウリング。
そこへ、ホストの二人組が因縁をつけてくる。
そのホストとは、礼一と純で、長谷川と面識があるらしく、
ここで、合コン自体が仕組まれたものだったってことが推察されます。

ホスト礼一と純が提案してきたのが、大金を賭けてのボウリング対決。
結果はここでは書きませんが、とってもハラハラしました。
そして、ホスト礼一と純との絡みは今後も続き、
このボウリング対決が全ての始まりだったのでした。

余談だけど、合コンに参加していた山田という経済学部の一年生、
合成写真が得意だそうで、地味ながらいいキャラでした。


季節はめぐり、夏。
北村たちも夏らしく、5人で海へ。
これも鳥井の発案ですけどね。夏といえば海っていうね。
夏だし、恋でも芽生えるか!?と思いきや、
北村にはしれっと彼女ができていた。
相手は合コン用に服を買いに行った時のブティック店員、鳩麦さん。
学外だし、社会人だし、要領いいなぁと思ってしまう。

鳥井は合コン三昧で怪しいホストに目をつけられるという痛手から、
自粛をしていたらしい。
だけど、そろそろ合コン活動を再開させようと思っているとか。

そんな中、あの合コンで痛手を負わせた張本人、長谷川と再会してしまう!
長谷川はその時の事情を説明し、一応頭を下げた。
そして、ホスト達とはもう関わってないらしく、
二人ともホストを辞めて、お金に困って、何やら変なグループに入ってしまったらしい。

もう二度と関わりたくないなって誰もが思うであろう中、
鳥井は長谷川とまた会ってしまう。
長谷川は鳥井に、ある家を探ってほしいと言ってきた。
そこに「プレジデントマン」が住んでいる、と。

「プレジデントマン」とは、入学した春から仙台に出没している通り魔。
その手口は、中年男性を見つけては「大統領か」と訊ねて、殴って、お金を持っていくという、
かなり独特なもの。
ただそれは、日頃からアメリカ批判をしている西嶋の血を騒がせた。
西嶋曰く、この犯人は、西嶋と同様に、今の世界の状態を憂えていて、
彼なりに行動をしているのだと。
かといって、やってることは許されるものではないですけど。
そうして、西嶋はこの通り魔のことを「プレジデントマン」と呼び、
自分の周囲の下らないことにしか興味がなくて、
世界で何が起ころうと、他人事でテレビを見てる学生とは違い、
自分でどうにか事態を改善しようと一生懸命大統領を探しているプレジデントマンのことを支持した。

鳥井は野次馬根性で、世間を騒がせている通り魔の正体を暴けるかも、
と好奇心いっぱいだった。
ただ、それがまた罠だった。

結局、鳥井を筆頭に、メンズ3人は、その家を見に来る。
高級住宅街の中の豪邸。嶽内邸。
そこにやってきたのはプレジデントマンではなく、乱暴な運転のRV車だった。
その運転席にいたのは、あのホスト礼一だった!
車でやってきた奴らの正体は、豪邸狙いの連続強盗犯だった。
結果、鳥井は左腕を失ってしまう…。

この描写は、ほんとやりきれなかったね。
鳥井は卒業後、「スーパーサラリーマン」になるというビジョンを持っていた。
同期の誰よりも出世して、給料も多くもらって、会社の頂点を目指すような会社員なんだとか。
それはまた、なかなかすごいビジョンだな。今時そうそういないですよね。
そんな会社員になったらできないことを、学生のうちにやりたいらしい。
そこには、大勢の女性との交際とか、麻雀も含まれる。
まぁ、実際に何をやるかはともかくとして、一理あるな、って思います。
学生のうちにやっておかないと、確実に消化不良を起こす。
納得して社会には出られない。

鳥井の場合は、結果的にその好奇心が悪影響を起こして、悲劇となってしまったわけですが…。
でも鳥井は逃げることはなく、受け入れようとしていた。
横浜の実家に帰ることもできたろうに、変わらず仙台の、
北村曰く「ブルジョアなマンション」で一人暮らしを続けていた。

もちろん、すぐにこの苦難を受け入れて、元の鳥井に戻れるわけがない。
その精神的ダメージや混乱は大きく、それを北村たちが支えたといっても過言ではない。
鳥井は退院後、すっかり心を閉ざしてしまっていた。
口数が減り、笑わなくなった。
まさに鳥井の心の中は「砂漠」のようになっていた。

この作品のタイトルとなっている「砂漠」。
読んでいただければわかるのですが、
このワードにはいろいろなメタファーが込められているのです。

中でも一番印象的なのは、西嶋が言った名セリフ。
「その気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」

北村たちは、どうやって鳥井の心の砂漠に雪を降らすことができたのか。
やったことといえば、鳥井のマンションで麻雀をやった。
その中で、西嶋がかなり大がかりな仕掛けをした。
「中」待ちだった西嶋が、向かいのビルの部屋の窓の照明を使って、
「中」の文字を浮かばせたこと。
そのビルは、西嶋が警備員としてバイトしている建物で、
ビルの長方形の形状からしても、牌に見立てられなくもなかった。
それを使って「ロン」と言った。

どういうあがり方!?と思うのですが、西嶋は前にもこの手を使っている。
「一索」待ちだった西嶋は、たまたま牌山の上に降り立った文鳥のイーソーを見て、
「ロン」とした。
何とも馬鹿馬鹿しい!だけど、その馬鹿馬鹿しさが、鳥井の心のオアシスになった。

そんなひと夏の冒険にしてはあまりに大きな代償で、どうなることやらと思ったけど、
最終的には救われた。


秋になって、鳥井は少しずつ快活さを取り戻していったが、
そんな鳥井から驚きの報告がある。
南と付き合い始めたとのこと。
当初から南は鳥井のことをとても気にしていたので、
北村たちも読者である私たちもさほど驚かないかと思うけど、
「良かったね」とは思う。

西嶋以外の4人は、卒業後の進路について、考えている。
そうなんだよ。いつの間にか考え始めているんだよね。
私は西嶋タイプで、あんまり具体的なことは考えてなかった。
どうにも普通に就職して社会人になるってビジョンがなかったんだよね。
自分が価値あると思ったものを信じて生きていきたいというか。

それを西嶋はいつもの持論で反論する。
こんなんだから、学生は世界のことを考えない、と。
私もそんな世界なんて大きなことを考えていたわけじゃない。
だけど、大学を出て、どこでもいいから就職して、形だけでも社会人になって、
っていう形式的な生き方はできなかった。
結局、生活考えちゃうと、そうも言ってられないんだけどね。

この徹底的なまでに一直線な西嶋の態度、誰かに似てるなぁと思ったら、
本人も言及してる三島由紀夫でした。
私もさすがにリアルタイムで三島由紀夫の自決のシーンを見たことはありません。
だけど、今も伝わるあの気迫は、鬼気迫るものがある。
それは、三島はきっと最後まで、信じてたんだと思う。
自分が本気を出して行動すれば、世界は動くのではないか、と。
私に足りなかったのは、そういう自信と、貫き通せる覚悟。
そして、それは今また必要になっているのかもしれない。

そういう意味では、いつでも臆さない西嶋のことを尊敬する。
西嶋が麻雀で平和(ピンフ)を上がろうとするのは、
いつか通じると信じているから。
そんな西嶋に、東堂は人知れず惹かれたんだと思う。

東堂は入学して割と早い段階から西嶋に惹かれていた。
それを北村にだけ打ち明けていた。
西嶋が好きなパンクロックを聴いて、
西嶋のことをもっと知ろうと思ったに違いない。

だけど、北村も知らぬ間に、想いを打ち明けて、
人知れずフラれていた。
そんな東堂は、なんとキャバクラでバイトをしていて、
これからはいろんな男と付き合ってみるらしい。
東堂の美貌があれば、店でもどこでも、いろんな男が寄ってくるだろうけど。
難点は愛想がないこと。
キャバクラでどういう接客をしてるのか、ちょっと気になります。

ある日、西嶋は動物管理センターから、
保護期間ギリギリのシェパードを引き取ってくる。
保護されている迷い犬や猫を紹介するHP、
見ちゃうとキリがないんですよね。
助けられるものならみんな助けたい。
鳩麦さんも「やりきれない」と言っていたけど、
実際問題、飼える環境とかを考えると、難しいんですよね。
だけど西嶋は、そんなことは関係なく、引き取ってしまう。
「目の前に困っている人がいたら助ければいい」という、
ただそのポリシーに従ってるだけだった。
そしてそのシェパードはどうやって飼うかというと、
東堂にお願いすることにした。
西嶋の好きなパンクバンドにちなんで、
「シェパード・ラモーン」と名付けられた。

西嶋が気になる存在なのは、読者も同じ。
どういう生き方をしたら、これほど強烈なまでにまっすぐな人間が出来上がるのか。
東堂からのリクエストで、西嶋の過去が語られる。

中学から高校まで、ずいぶんいじめられて、つらい日々だった。
身体的に暴力を振るわれることは少なかったけど、
愚鈍だとか、理屈っぽいと言われて、しょっちゅう疎まれた。
確かにこのままの性格だったら、中学生や高校生には受け入れられ難いかな。
精神的にまいった西嶋は、学校には行かず、街をふらついて、
万引きなんかもしていた。
そして警察に捕まり、家庭裁判所に送られた、
その時の家裁の調査官が変な人だったらしいが、いろいろ教えてもらったらしい。
ここで、伊坂作品の読者ならピンと来るに違いない。
名前こそ出ていないけど、変な調査官と言ったら、陣内でしょう。

というわけで、その陣内が活躍した作品、
「チルドレン」を読み返してみる。
西嶋がパンクロック好きなのも、もしかしたら陣内の影響なのではないか、と。
陣内自身、バンドを結成していて、パンクについて語っていた。

また、西嶋の名言に近いことを、陣内も言っていた。
「俺たちは奇跡を起こすんだ」と。
少年が更生させるなんて、奇跡みたいなものだけど、
家裁調査官の目的は、その奇跡を起こすことなんだ、と。
そう直接西嶋にも話したかはわかりませんが、
その神髄みたいなものが、西嶋に伝わったのでしょう。

西嶋に影響を与えたサン=テグジュペリの本を渡したのも、
陣内らしいしね。

そんな西嶋の片鱗みたいなものを、「チルドレンⅡ」の中で発見。
厳密には武藤の語りでしたが、喧嘩の理由について。
「引っ込みがつかない」とか「ダサいと思われたくない」とか、
十代の男の行動原理の大半と思われるものだったが、
一人だけ、「平和の実現」と答えた少年がいた。
かなり貴重な例だろうけど、そんなこと言うヤツは西嶋に違いない。

西嶋は「平和」にこだわる。
麻雀で平和(ピンフ)の役を作り続けていれば、いつか通じると信じている。
ボウリングだってそうだ。
どれだけ下手でも、笑われても、西嶋は臆さない。
それは東堂曰く、自分を信じているから。

西嶋の好きなパンクロックについて。
「おまえたちは支配されてるのか?それとも命令してんのか?
おまえたちは前進してんのか、それとも後退してんのか?」
敬愛しているジョー・ストラマーの歌詞にあるそうですが、
西嶋の行動指針は、これに尽きるのでしょう。

ところで、秋といえば、学祭の季節。
私の出身大学も秋に学祭がありましたが、
私の学生生活自体が冷え切っていたので、学祭に対しても、冷めたものだったなぁ。

北村たちもそんなに興味はなかったのだけど、
今回はちょっと気になる企画があった。
それは、「超能力対決」。
麻生晃一郎という超能力否定派の学者が、超能力者のトリックを暴く、というもの。
昭和の時代に、こういう番組よくありましたよね。
真実はともかく、見世物としてやっていた。
その超能力者として呼ばれたのが鷲尾で、
スプーン曲げとか、記憶透視ができるらしい。

超能力といえば、南には特別な能力がある。
5人がその力を初めて目の当たりにしたのは、
すっかり行きつけになった定食屋の<<賢犬軒>でのこと。
春、鳥井のマンションで初めて麻雀をやった後、彼のススメで入った定食屋。
そこで、鳥井からおもむろに、見せてやるようにふられた。
南はスプーンをつまむと、触れた部分からふにゃりと曲がり、さらには折れた。
そこにはトリックなどあるとは思えず、鳥瞰型の北村ですら驚かせてしまうほど。
おまけに、テーブルの上の丼とかコップなど、物を動かすことまでできた。
これはもはや、超能力と信じるしかない。
だから、簡単に超能力を否定されたら困るのだ。
この辺りからかな。鳥瞰型の北村が明らかに変わってきてる。
それまでは、こんなに熱くなるタイプじゃなかった気がするので。
この対決の行方は、直接読んでいただきたいです。

ちなみに、学祭のミスコンに東堂が出る!なんていうサプライズも!


やがて、冬。

いつの間にか卒業後の進路が具体的になってきていると思いきや、
ここに伊坂さんお得意の「時間のトリック」があったのです。
春夏秋冬と章立てされているから、てっきり1年の物語かと思っていたら、
入学から卒業の4年間の物語だった!
すっかり騙されました!

他の4人は着々と卒業後の進路を決めているのに対し、西嶋は相変わらず。
バイト先にそのまま就職してもいいんじゃないか、って思っちゃうくらい。
職場で麻雀ができるなんて、西嶋にとっては最高の職場ですよね。
それにしても、バイト先にいる古賀氏は、何者なんだろう。
調べものが好きで、っていかにも怪しさ満点なのですが、
過去作とのリンクは微妙だったな。

あぁもうすぐ話が横道にそれてしまう。
ともかく、この卒業間近の冬、
北村たち5人を取り巻いていた様々な事件も決着を迎える。
あのプレジデントマンの正体、ホスト礼一との因縁…

その中で、鳥井がこっそりキックボクシングジムに通っていたことには驚いた。
それは、まだ春のこと。
北村・鳥井・西嶋は偶然見かけたキックボクシングジムで、
その練習風景を無心でのぞいていた。
3人とも、当時はとても入会する気配はなかったのですが、
左腕を失った鳥井は、ひとりでこっそり通っていたらしい。
片腕でも、大切な彼女を守るために。
鳥井が昔描いていたビジョンは大きく変えられてしまったけど、
その状況を受け入れ、かつ人より強くなろうとするのだから、感心する他ない。

余談ですが、「終末のフール」収録の作品の中にもキックボクシングジムが登場して、
伊坂読者とはアンテナが立つところなんですけど、
今回登場したのは、阿部薫というチャンピオンで、リンクではないようです。。

こうして、彼らは大学を卒業していく。

ここで、「砂漠」について、もうひとつ重要なメタファーがあります。
それは、社会。
これは、一足先に社会人になっている鳩麦さんの言葉ですが、
「学生は、小さな町に守られている。
町の外には一面、砂漠が広がっているのに、守られた町の中で暮らしている」
町の外に広がる砂漠というのが、いわゆる社会。
確かに、この砂漠のイメージはしっくりくる。

その守られてる中で、馬鹿馬鹿しいことを思いっきりやることが重要なんだと思う。
5人はそれを見事に実践していたのでしょう。
学長が卒業式で言った言葉、
「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」
ほんと、北村たち5人は、まさに良い出会いだったよね。

クラスで目立つ存在だった莞爾にも、北村たちはうらやましい存在だったらしい。
「幹事役の莞爾」なんてキャッチコピーをつけていて。
確かに、そういう最初から幹事役になる人っていたなぁ、と思い出しました。
個人的にはあまり近づきたくないけど、
深く関わってこなければ、そういう人がいると楽だなぁって思うこともあって。
それはそれで、砂漠を生きていく術として使えるのかもしれない。
最後に、意外な本人の意思が明かされるんですけどね。
それを思うと、こういう人たちも、一度キャラを作ってしまうと、大変なんだなぁ。

私の大学時代も、望んではいないけど、妙なキャラになっちゃって。
たまたま周りに浪人生が多くて、私が実年齢的に年下になったこともあったのか、
何だか天然みたいに思われちゃって。
本来は全く天然キャラでもなければ、面倒みられるのも好きじゃなくて、
ただただ疲れるだけだったなぁ。

考えてみれば、そんな私にとっては、学生生活でさえも砂漠だったんだな。
オアシスがなかったわけじゃなく、それは学校の外にあった。
それは社会人になって仕事してる今もそうなのかも。
だから私は常に2つの世界をまたいで生きているんだな。
でも理想は、砂漠とオアシスが、同じ世界の中にあることなんだけどな。
好きなことで仕事をするというのは、難しい。

本当に、出会いは大事。
どんな人と出会ってきたかで、人生は変わってしまう。
ただ、今までもそうだったように、私のこれからも、自分次第なのかも。

作品中でも度々引用されて、「砂漠」のモチーフの一端を担っているであろう作品、
サン=テグジュペリの「人間の土地」。
ちょっと読んでみたいと思いました。



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