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Consolation

Kalafinaの4枚目のオリジナルアルバム。
テーマは「原点回帰」で、初期の作風に5年間分のKalafinaの曲調を、
凝縮したようなつくりになっています。

al fine
アルバムのイントロ的楽曲。
歌詞をみると収録曲の要素が散りばめられていて、
美しいメロディーにのせて紹介してくれます。

consolation
タイトルは、「慰め」の意味。
ハードめな音やビートがありつつ、
讃美歌のような伸びやかな部分が融合した、
それこそKalafinaがこれまで発表してきた作風を凝縮してるような気がします。

moonfesta ~ムーンフェスタ~
「みんなのうた」で今でも時々流れますね。
異国情緒溢れるこの曲は、まだ知らない不思議な世界へと誘ってくれる、
「みんなのうた」にピッタリの曲だと思います。
梶浦さんが子供の頃、遠い異国の物語が大好きだったそうです。
月夜に繰り広げられる祭りの描写等に胸を高鳴らせたそうで、
そんな原風景がこの曲に込められているのですね。
そんなわくわくした、どこか秘密めいた雰囲気を、
聞いてくれる子供たちにも感じ取ってもらいたいです。

Door
まるでオルゴールを開けたような感じで始まり、
そこからダイナミックに広がっていく世界観が、
開放感があって惹き込まれます。

未来
もともと劇伴だった曲に日本語詞をつけた曲なので、
メロディーラインが美しい!
これは3人の歌唱力とハーモニーがないと、成り立ちません!!
明るい希望に満ちた曲で、明るい未来が待っているような、
ワクワクしてきます。

花束
趣のあるアコーディオンが素敵だなと思いました。
長めのアウトロでたっぷり余韻も味わえて、聞き惚れてしまいました。

signal
当時のKalafinaの曲調で増えだした、ハードな曲調。
これでもハーモニーを崩さないのが凄いのですが、
これはきっとKeikoさんの安定した低音が効いているのだと思います。
また、漂うように流れるWakanaさんの伸びやかな高音にもうっとり。

obbligato
綺麗なコーラスからロック調に展開するのが予想外でした。
これもまたハードな要素と、柔らかい歌声が融合していて、
彼女たちらしい曲だなと思いました。
3人のハモリが絶妙に絡んで、深みのあるハーモニーになっています。

木苺の茂みに
ピアノとチェロのシンプルな演奏にのせているので、
3人の歌声の魅力が存分に伝わってきます。

満天
女性的で、柔和な中に儚さが現れた曲。
こちらも劇伴を元に作曲された曲だそうで、
Keikoさん曰く、苦労されたそうです。
インスト曲が元になってるKalafinaの曲は結構ありますが、
毎回、もう本当、圧巻です。
中でもこの曲は、天高く突き抜けて、
どこまでも響いていくような、広がりを感じます。

to the beginning
疾走感のある男性的な楽曲。
Wakanaさん曰く、Keikoさんの低い音と、Hikaruさんの情熱に、
Wakanaさんのストレートな歌声が加わることにより、
協調性が生まれる楽曲となっているとのことで、
確かに、3人の個性が、いい感じに調和しているのです。

ひかりふる
こちらも劇伴に日本語詞をつけたものなんですけど、
これはもうストリングスで流れるだけでも美しい楽曲。
これを3人の歌姫が圧巻の歌唱力でハーモニーを奏でるのですが、
初めて聴いた時、あまりの迫力に震えました。

夢の大地
ヒストリアのエンディングテーマなので、壮大な世界観ですね。
歌というよりも曲として聞き惚れてしまう。
3人の圧巻の歌声を聴いて、「声」という楽器そのものの魅力を感じました。



Consolation

Consolation

  • アーティスト: Kalafina
  • 出版社/メーカー: SME
  • 発売日: 2013/03/20
  • メディア: CD


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バイバイ、ブラックバード

この作品は「ゆうびん小説」という珍しい方法で発表されて、
毎回抽選で選ばれた50名の読者に、
一話が書き上がり次第、
レター形式で印刷された作品が郵便で送られる、という、
聞いてるだけでもワクワクするような企画でした。
そうして発表された5話の作品と書き下ろしの1話を添えたのが、本作です。

また太宰治の未完にして絶筆となった「グッド・バイ」へのオマージュ作品でもあります。
ということで、「グッド・バイ」の基本設定である、
「何人もの女性と同時に付き合っていた男が、その関係を清算するために、
全く恋愛関係になかった女性の協力を得て、一人ひとりを訪ねて歩く」
というとことはそのまま踏襲されている、つまりはそういう話です。

今作の場合、5話=5人の女性に別れを告げていきます。
5人の女性と同時に付き合うなんて、どんなヤツなんだ!というところなのですが、
主人公の星野一彦はそういうチャラい感じでもなく、
ただ誰か一人を選ぶことができなかった、ということで、
「女の敵!」というには真逆にいる人です。
俗に言う「憎めない男」ってやつですね。
こういう人にキュンときちゃう女子は、一定数いると思う。

5人との物語に共通しているのが、出会い方が面白いこと。
「またまたぁ~」「嘘でしょ!?」って思っちゃうようなドラマチックな出会いなんですけど、
これを飄々とした星野一彦がやってるから面白いんだと思うんですよね。
決して狙ってやってるわけじゃないのですが、
この時点で、5人の女性たちはコロッと落ちてしまったんでしょうねぇ。

各話、出だしは出会いのエピソードが語られていて、
それから別れ話の場面に飛ぶのですが、
その冒頭で、女性から「あれも嘘だったのね」というようなことを言われるのが、
全5話で共通しています。

5人の女性がまたバラバラで、個性的なのがまた面白い。

1話目の女性、廣瀬あかり。
二人の出会いはいちご狩りにそれぞれ一人ずつで来ていたところなのですが、
その時、廣瀬あかりはある男性と不倫関係にあって、
それにまつわるもやもやに嫌気がさしていちご狩りを訪れた、とか。
まあ、運命のいたずらというか、他の4人に比べたら、
彼女は比較的平凡なのではないかと思われます。
それもそのはず、伊坂さんが書く連作短編では、
第1話は比較的、普通の話にすることが鉄則なんだそうです。
と同時に、星野一彦のことも紹介したい1話なのかなぁとも思いました。

星野一彦が渾身の力を見せる、「ラーメンの大食い対決」のシーンは見物です。
男女の別れのシーンで、なぜラーメン!?とまさかの展開で、
終始どうなるの!?と読み進めていくのですが、一筋縄ではいかず、
最後はホロッと感動すら生まれました。

2話目はシングルマザーの霜月りさ子。
これの出会いのシーンは、だいぶ突飛でしたね。
映画好きの伊坂さんならではのシチュエーション。
当て逃げされたり、ついてない女性ではあるのですが、
それがきっかけで爽快なエピソードになるという、
伊坂さんらしい展開だなぁと思いました。

3話目の如月ユミは、かなり強烈なキャラクター。
ロープで建物の上から侵入しようとする、
一人キャッツアイのような女性。
彼女のペースに星野も巻き込まれるのですが、
星野一彦のいいところが全くなかったお話、と言ってもいいくらい。

4話目は数字に強いこだわりを持つ神田那美子。
数字の羅列を見て、何か意味を考えてしまう人って、確かにいますね。
そんな彼女は乳がんの疑いがあって、検査の結果待ちの状況だったのですが、
ラストシーンにはほろっとしてしまいました。さすがです!

5話目は女優の有須睦子。
他の4人はわりとすんなり別れを受け入れたのに比べて、
この女性は頑なで、難航しました。
女優は意思固そうな印象ありますもんね。
ただ、これもまた「参りました!」と言わざるを得ないエピソードがありまして、
不覚にもまた泣かされてしまいました。

最後の6話目は、とうとう星野一彦が<あのバス>に連れていかれる、
という星野の日常ともお別れのシーン。
そもそも<あのバス>って何なんだ!?という話なのですが、
星野が借金をしたせいで、乗せられることになったといういきさつ以外、
どこに連れて行かれるのか、その後どうなるのか、という具体的なことは一切わからない。
星野を監視している繭美の話では、ものすごく恐ろしいところらしい、
という想像だけ掻き立てられるのですが、
このくらいの事情がないと、
星野が付き合ってきた5人の女性と別れるに至らないとも思うし、
わけのわからない恐怖が効果的だったのだと思われます。

そしてこの作品を語る上で欠かせないのが、繭美。
太宰の「グッド・バイ」でいうところの「キヌ子」的存在なのですが、
星野が<あのバス>に乗ることになってから星野を監視していて、
星野の別れ話にも協力する第三者。
見た目がものすごくインパクトがあって、身長が190センチで、体重が200キロという、
想像もつかないくらいの巨体。
職業柄なのか(?)性格もすさまじくて、
人の不幸を笑ったり、傷つけるような暴言をたくさん吐いたりします。
辞書を持ち歩いていて、例えば「常識」だとか「気遣い」といったようなワードは、
黒く塗りつぶされており、塗りつぶされている行動はしない、という、
彼女のルールブックにもなっている。
まあ、わかりやすい人ですね。

そんな繭美もちょっとずつ変化していくところもまた、
この作品の見物だと思います。
変わらないのは案外、星野一彦だけなのですが、
この二人のコンビは名コンビと言えるかも。


伊坂さんご自身は連作短編が得意じゃないとのことでしたが、
私は伊坂さんの連作短編、結構好きですよ。



バイバイ、ブラックバード<新装版> バイバイ、ブラックバード<新装版> (双葉文庫)

バイバイ、ブラックバード<新装版> バイバイ、ブラックバード<新装版> (双葉文庫)

  • 作者: 伊坂幸太郎
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2021/02/10
  • メディア: Kindle版


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sakanaction

ついにセルフタイトルのアルバムが登場!
この頃、タイアップがついたり、
メディアでもだいぶ取り上げられてましたしね。
それだけ完成度の高い曲が多かったのでしょう。

今作のテーマは「表裏一体」。
大型タイアップ曲などの表の部分と、
当時サカナクションがやりたい裏の部分、
両方が混ざり合った部分がそれぞれ収録されているそうです。

ミュージック
一郎さん曰く、「自分たちが音楽にどのように向き合っていくのか」を歌にしたとのこと。
Mステでのパフォーマンスで私は衝撃を受けたのですが、
本当に会場一体がダンスフロアになったみたい!
当時のメディアでもよくそんな風に言われてましたね。
非常に完成度の高い曲としてファンからも人気が高く、
ライブでも大きな盛り上がりを見せます。
ファンからは「サカナクションの一つの集大成」と言われることもある名曲。

メンバー5人は一郎さんの自宅に集まって制作していて、
一郎さん曰く、「学生時代の遊びのように曲を作ることにチャレンジした」とのこと。
また、その部屋で生まれたものを外に発信し、リアルに伝えるのがテーマだったのだそう。

夜の踊り子
モード学園のCMソングだけあって、尖ってますねー。
当時もかなりインパクトありましたよ。
Aメロの辺りはなんか和の雰囲気も感じるようなリズムで、
お祭りのような粋な感じもしました。
日本人の根っこにある魂が揺さぶられて踊りたくなる感じ。

なんてったって春
サカナクションらしいエッジの効いた春ソング。
心地良いノリで浮かれ気分。
サビの歌詞で、頭の「な」で韻を踏んでるのも面白い。

アルデバラン
この曲について、一郎さんは、サカナクション的にはみんなのうたを意識した、と話しています。
こちらもまた文頭で韻を踏んでいるのがインパクトあります。
私の大好きな猫が出てくる曲。

M
メンバーの岡崎さんが中心となって作られた曲で、
MGMTのような楽曲を目指したいと話したことをきっかけに、
仮のタイトルとして「M」という題名をつけデモの制作が行われました。
その後、完成締め切り間近となった時期に、タイトルを決定しなければならなくなり、
結果仮タイトルがそのまま正式な曲名として採用されたそうです。
そんな経緯はさておき、曲はカッコ良くて、踊りだしたくなる。

Aoi
NHKのサッカー放送のテーマ曲に起用されました。
今までに発表した楽曲の中でもロック色が強い楽曲となっていて、
BPMもこれまでにサカナクションが発表した楽曲の中では最もテンポが速いのです。
一郎さんによると、この曲のテーマは「今」。
海外に挑戦する日本人選手や、人生の一時期をサッカーに懸ける全てのサッカー選手の思いと、
ミュージシャンが今を歌うという点を重ね、
若さ、未熟さ、美しさ、危うさを連想させる「青」という言葉で表現したそうです。
ちなみに、一郎さんはサッカーのことを全然知らなかったため、
この曲を書くために、毎日サッカーを見て猛勉強したとか。

ボイル
曲名や歌詞に登場する「ライズ」や「ボイル」という言葉は、
釣り用語からきているそうです。
一郎さんが選び抜いた言葉のチョイス、それに込めた想いなど、
たたみかけるような歌から気迫が伝わってきます。
一郎さんの息遣いが聞こえた時には、鳥肌が立ちました。

映画
いろんな音が聞こえてきたり、サウンド的な加工がしてあったり、
ものすごく「音」にこだわりのある曲。
これはちょっといいスピーカーとか、ヘッドフォンで聴いてみたいですね。

僕と花
シンプルな音作りで、サカナクションにしてはアコースティックな感じ?
メロディもわかりやすいので、聞きやすいのではないかと思います。
こういう沁みる系の曲もあるのですよー。

mellow
タイトルにイメージされる通り、ゆったりした時や空間が味わえる曲。
夜に目を閉じてじっくり聴くと良さそうな、
瞑想的に使えそうな曲かも。

朝の歌
今作のテーマが「表裏一体」と語られていましたが、、
この曲の歌詞に「表と裏」というのが出てきて、
そのコンセプトをまとめた曲だと思います。
希望に満ちた朝の曲でアルバムを締めくくれるのが心地いいです。



sakanaction (通常盤)

sakanaction (通常盤)

  • アーティスト: サカナクション
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2013/03/13
  • メディア: CD


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未来大人宣言

このアルバム全体に流れるのは、
「大人になる」ということ。
それは肉体的な意味じゃなくて、中身の問題ね。
そういえば、人間、何歳くらいで、
中身も含めて「大人」って言えるんだろう?
もちろんいろんな立場な人がいて、
いろんな生い立ちの人がいて、個体差はあると思いますが。
そんな全世代に向けての「未来大人宣言」なんだと思いました。

私は、あまりまともな人生だとは言えないけど、
未来に向けて、決意表明できるものはあるかな。。。


code E~Eの暗号~
歌詞の中に、過去のシングル曲のタイトルが埋め込まれています。
あなたは何曲見つけられるでしょうか?

-Can you break a hundred million?-
ほぼ英詞で、言葉遊び的な要素がかなりありますが、
コミカルで面白い歌詞で、耳につきます。
最後の「no?」の叫びが、個人的にツボでした。

月光
世の中には「月光」を歌った曲はたくさんあるのですが、
割と神秘的なイメージのものが多いと思うのです。
だけどこの曲はSOPHIAらしい爽やかさで、
なかなか新鮮なアプローチだなと思いました。

サヨナラ 愛しのピーターパンシンドローム
QUEENを彷彿とさせるオープニングだなと思いました。
このアルバムを通して、「大人になる」ことがテーマだと思いますが、
この曲もまさにそうですね。
ピーターパンシンドロームを抜けて、無事に大人になれるのか。
大人への一歩を踏み出そうとする君に。

mute reality
私も割と一人で抱え込み型なので、共感が得られます。
世の中を全てmuteしたくなる時ある。
今生きてるところと別のところで生きてたい時がある。

人間失格
タイトルほど重々しい仕上がりではないのですが、
ネガティブな部分を隠している「ピエロ」のイメージ。
SOPHIAは昔も「ピエロ」になぞらえた歌を歌ってましたね。
「ピエロ」なのは私も同じだな、と思う。
嫌なこといっぱいあって、外には出さない。墓まで持ってく。
だから、誰も私に踏み込まないでほしい。

rainbow rain
雨あがりの虹のように、サウンド的にもキラキラした曲。
SOPHIAらしい爽やかな曲で、心も晴れやかになりますよ。

I will
意思を確認するかのような、重厚なサウンド。
過去も未来も、その人にとって1本の道に繋がってく。
過去に出会えた人には感謝を、未来には希望を。

雨ニモマケズニ
かの宮沢賢治の詩を彷彿とさせるような、
カタカナ表記の歌詞。
それだけで文学的に見えるから不思議。

ヤングアダルト
こちらも、若さと大人の狭間を歌った、
このアルバムのコンセプトに直結する曲。
別れもまた、大人への階段だったり、成長への糧だったりする。
大切なのは、その経験が、どんな思い出として残るのか。

奏鳴曲
これは誰もが共感できる歌詞だと思う。
ほんと、生きてくのってややこしいんですよ。

未来大人宣言
アルバムタイトル曲。
この曲聞くと、軽く落ち込みます(笑)
私は年齢だけ食ってますが、次の世代に誇れるものなんて何も持ってません。
なりたかった大人になんか全然なれてない。
だけど、私みたいな子供が増えないように、
安全で、笑顔で、幸せに暮らせるような世界になるように、
微力ながらでも貢献できたら良いなと思っています。

happy birthday to you
この曲を誕生日に歌われたら、もう感動しかないですね。
最高のバースデーソングだと思います。

W
もともとは松岡さんのソロ曲だったのですが、SOPHIAでカバー。
やっぱりバンドっていいな、って思いました。
ところでこの曲、仮面ライダーWの主題歌になっていて、
その「W」なんですよね。
そして、仮面ライダーWには、松岡さんも出演されていましたが、
今や実力派俳優となった菅田くんが出ていた!!



未来大人宣言 (ALBUM+DVD)

未来大人宣言 (ALBUM+DVD)

  • アーティスト: SOPHIA
  • 出版社/メーカー: avex trax
  • 発売日: 2013/03/06
  • メディア: CD


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