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Dr.コトー診療所 25

まずは、島であまり見かけたことのない、ハルくんという少年の話。
コトー先生は往診の途中で、ハルくんという、
見慣れない少年と出会う。

大きなくぼみに落ちてしまったハルくんを触診したところ、
怪我はしなかったが、頭に水頭症の手術をした形跡を見抜いた。

独特の感性を持つハルくん。
海に沈む夕日を見て、涙を流していた。
「おひさまがしんじゃう」と。
内地から来たハルくんは、海にお日さまが沈むのを見るのは、
初めてだった。
そんなハルくんに、コトー先生はこう説明して諭す。
「お日さまにとって海はお布団で、これからお日さまはお休みするんだ」と。

ハルくんは、ジャーナリストの父親に連れられて島にやってきた。
母親は帰ってこないらしい。
病気のハルくんをひとりで育ててきた母親は、
仕事ばかりで家庭を顧みない父親に、愛想を尽かせた模様。

ハルくんが病気になったのは、1歳の頃。
急に熱を出して近所の医者にかかったところ、ただの風邪だと診断された。
ところが、その後も熱は下がらず、意識もなくなった。
救急車で大きな病院に運ばれたところ、髄膜炎だと言われた。
半年入院して命はとりとめたが、その後遺症で知能の発達に遅れが生じた。
ハルくんの独特な感性は、このためだったんですね。

さらに、その1年後には水頭症も患って、
一生付き合わなければいけない病気を抱えた子を、
母親ひとりで育てるのは大変なことでしょう。

そんな息子と普段からロクに向き合ったことのない父親が、
ひとりでハルくんをみられるわけがない。
案の定、健全な父子関係ではありませんでした。

ある時、ハルくんは激しく嘔吐する。
レントゲンを撮ったところ、多数の貝殻やクギが見られた。
誤飲というには多すぎて、あえて飲み込んだ異物としか思えない。
それらは皆、ハルくんが拾ってきたものだった。
ハルくんにとっては価値のあるものでも、
父親にとってはゴミとしか見られないものだった…。

異物を取り除く緊急手術が始まる。
ハルくんには、水頭症のため頭にたまった髄液を、
腹腔内に排出させるVPシャントが留置してある。
異物によって浮腫を起こした腸管の圧迫によって、
そのシャントチューブが詰まっていた。
一刻も早く開腹してシャントチューブを整復しないと!

この緊急オペを目の当たりにして、父は変わったようでした。
根は悪い人じゃなかったみたい。


さて、ここからが本題!?
診療所に岡勢美都留(おかせみつる)という研修医がやってくる。
何やら、コトー先生に憧れて、自ら志願してやってきたとか。

早速、コトー先生の往診の留守を任された岡勢先生、
左肘関節を亜脱臼した少年を「アイーン」で治しちゃったり。
「アイーン」は怪我さえ治せるなんて、最強のギャグだな!
その鮮やかさはまたたく間に噂となり、島民から一気に信頼を得た!

その他にも、小沢先生の目の異常に素早く気づいたり。
よく校庭に白線を引く時に使う石灰が目に入ったようで。
石灰って怖いんですよね。
石灰はアルカリで、体の中のタンパクを溶かしてしまう。
今回みたいに石灰が目に入った場合、じわじわ広がって、
損傷が進むと、角膜までやられて失明することがあるそうで。
そんな怖いものをよく児童に使わせていたなぁ。
今時は使ってないのかな!?

岡勢先生の勢いは古志木島だけにとどまらず、
無医村でコトー先生が定期的に往診している北志木島にも行くことに。
北志木島には医師はいないものの、看護師のミナさんがいました。
メチャクチャなようで、意外にも観察力のあるミナさん。
岡勢先生の別の一面を見抜きます。

古志木島に戻ってきた岡勢先生。
頭を打った少女、里朱(りず)ちゃんが運ばれてきます。
診察した岡勢先生は、里朱ちゃんのウソに気付く。

教員の岩崎先生や本人の話では、今朝ジャングルジムから落ちたってことだったが、
おでこにできた血腫(=タンコブ)は、今朝できたものではない。
アザやタンコブは時間が経つと紫色に変わってくる。
だからすぐにバレてしまうのです。

それからは岡勢先生は、「子供のたわいもないウソ」として取り合わない。
あの親切で優しそうな人柄とはまるで別人のよう。
それに対しコトー先生は、CT検査を提案する。
画像に黒い影が写りから、鼻水を検査したことから、
気脳症だということはわかった。
気脳症とは、髄液が流れ出るかわりに、空気が頭蓋内に入る症状。
頭を打ったことがきっかけで、頭蓋骨の底の部分にひびが入ったらしい。
鼻から出てるのは鼻水じゃなくて、
ひびから漏れ出した髄液が鼻から出ているのだった。

こうして里朱ちゃんは入院して、しっかり治療できるようになったものの、
岡勢先生の頑ななまでにウソにこだわる態度は気になる。
コトー先生と過去に何かあったの!?と思ったところで、
かなり長い休載に入ってしまうのです。
久しぶりに読んで、再開しないかなぁと、気になって仕方がない。




Dr.コトー診療所 (25) (ヤングサンデーコミックス)

Dr.コトー診療所 (25) (ヤングサンデーコミックス)

  • 作者: 山田 貴敏
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/06/30
  • メディア: コミック


絶海の孤島・古志木島の小さな診療所で
数々の難手術を成功させてきたDr.コトーこと五島健助。
ある日コトーは、島でひとりで遊ぶ見慣れぬ少年と出会う。
最近この島に来たという少年には、複雑な事情があり…
そしてコトーひとりで奮闘していた診療所に
岡勢美都留という研修医が仲間入りする。
コトーを尊敬してわざわざ来島した岡勢は、
あっという間に島民たちの信頼を得ていくが…
奇跡と感動の離島医療物語。
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