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僕とシッポと神楽坂 1

この作品に出会ったのは、ドラマ化がきっかけでした。
ドラマ化にあたって、職場でちょっとしたご縁があったので、
ドラマを見て、それから原作コミックも読んでみた次第です。

ペットオーナーにとって、獣医さんは欠かせない存在なのですが、
仕事柄、ビジネスパートナー的な側面を垣間見ることがあって、
その辺りの、いわゆる経営的なところも丁寧に描かれていて、
わかるわかる~、とうなずいたり、
なるほど~、と感心したりしながら読んでいます。
そんなわけなので、ちょっとナナメから読んでしまうところがあるかもしれませんが、
レビューしていきたいと思います!


このお話は、獣医師の高円寺達也先生が、
数年間の勤務獣医師を終えて独立、
育った街・神楽坂で、古い動物病院を引き継ぐことから始まります。
前任の徳丸先生は、この坂の上の小さな病院で、
何十年も信頼を築いてきた人物。
ここにきての突然の引退で、何も知らないオーナーたちが、
続々とコオ先生の病院を訪れる。
まだ新しい病院の名前も決まってない「仮」のまま、診療が始まります。

最初の患者さんはワンちゃんの出産。
予定より早い陣痛から破水して、手術が必要な状態に。
ただ、まだスタッフがいなくてコオ先生がひとりなため、
オーナーさんに助手を依頼します。
コオ先生の確実な手技と、助手のオーナーへの冷静なフォローで、
無事に赤ちゃんが産まれました!
そして、目の前でコオ先生の手際の良さを見たオーナーさんは、
すっかりコオ先生を信頼したのでした。

この辺りは、何だか古志木島に来たばかりの頃で、
島民の信頼を得ようと頑張っていたコトー先生を思い出しますね。

こうして、何となく名前が決まってきた頃、
診療施設開設届を提出しなくちゃいけないことに気づく。
「診療開始10日以内に行うこと」と定められているそうです。
そうして慌ただしく決まった病院の名前は「坂の上動物病院」に。

そんな感じで忙しくしている間に、ライバル病院ができていたらしい。
すごくオシャレで、併設してペットグッズの店やサロンや猫カフェもあって、
屋上はドッグ・ラン!
ワンちゃんも一緒に入れるカフェもある!!
と、確かにこういうタイプの大きくて綺麗な病院ありますが、
さすがに猫カフェまで併設されてるようなのはまだないかな。。。
でもいつかどこかでできそうですよね。
これじゃまるで百貨店かテーマパークの勢いだよ。
症状が重い子のオーナーには気が重いけど、
まだ健康な子のオーナーにとっては、ついでに楽しめる施設でもあった方が、
病院に行くキッカケになるのかなぁ。。。

病院が忙しくなっていくと、さすがにコオ先生一人では回せない。
AHT(=動物看護師)がいないと!
ということで、AHT探しが始まるのですが、
とあることがキッカケで、ベテランAHTの加瀬トキワさんがやってきます。
AHTさんは、忙しい先生のサポートして、オーナーさんの対応もして、
大変でしょうが、双方にとっての重要な存在です。
こんな大ベテランさんが来てくれるなんて、コオ先生ついてますね!

ということで、こうして開業してスタートラインに立てた坂の上動物病院。
これからどんな患者さんがきて、どんなストーリーになっていくのか楽しみです。

また、神楽坂というロケーションもいいですね。
新しい風も吹かせつつ、伝統も守り続けているという。
人々の粋なやり取りも小気味良いのですよ。
実際の神楽坂の町並みも巡ってみたいなぁ。



僕とシッポと神楽坂 1 (オフィスユーコミックス)

僕とシッポと神楽坂 1 (オフィスユーコミックス)

  • 作者: たらさわ みち
  • 出版社/メーカー: 集英社クリエイティブ
  • 発売日: 2012/12/25
  • メディア: コミック


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D-黄金魔(下)

貴族相手に借金の取り立てをした異色作が完結!
題材が題材だけに、終始、俗っぽいというか、
Dシリーズにしては、かなり珍しい作品だったと思います。
Dの中でのコメディと言ってもいいくらい。

それは文体にも表れていて、
「白川夜船」だとか「吞み助」だとか、
昭和レトロなワードもいくつかありました。
今、流行ってますもんね、昭和レトロ。

Dは一応ライトノベルに分類されるのでしょうが、
読者の年齢層は結構上だと思うので、
ノスタルジーを味わえるのでは(笑)

この世界観を作り出したのは、
間違いなく高利貸のエル爺さんだと思うのですが、
そこに引けをとらない最強キャラが登場しました。
気功師兼貸金業者であるドロテア・マーリンゲン公爵夫人。
「公爵夫人」とある通り、この人は貴族の老婆です。
まさか貴族も金を貸していたとはね。。。
ただ、やっかいなのは、貴族は寿命が長いので、取り立てもしつこい。
もはや期限なんてなく、永遠に取り立てられます。

侯爵夫人は4000年ほど前、
デゾレ・ペンゾルトンという女貴族に、
自分の亭主を籠絡された。
この二人はとんでもない悪政を敷いて、
最終的には中央政府から死刑を言い渡されてしまったのだが、
亭主の方は、女に貢ぐために、なんと人間の高利貸しから借金までしていた。
(4000年も前の話なんで、エル爺さんではないですが、
その頃から、貴族に金を貸す人間がいたんですね!)

亭主は、夫人の宝石にまで手をつけようとした。
盗み出す現場を押さえて、借用書を書かせた。
一京ダラス(もう桁が凄すぎる!)分の宝石を借り受けます、と。
返済期間は1年、夫人は担保を要求すると、
亭主は妾のデゾレ・ペンゾルトンを担保に設定してきた!
もはやわけがわからないが、これで契約は成立し、
やがて全てが破局を迎えたとき、夫人は妾のところへ行って、
金を返すよう迫った。
ところが妾は、いきなり夫人の心臓に後ろから白木の杭を打ちこみ、
自分自身も刺した。
幸い、ほんの数ミリずれて致命傷にはならず、夫人は助かったが、
妾の方は塵と化していた。

夫人は当時、美しさの絶頂だったそうだが、
この事件から復活したところ、年相応の老婆な顔と身体になってしまったらしい。
妾は滅んでしまったものの、踏みつけられっぱなしでは夫人の気が済まない。
滅びた者は生まれ変わる。
その時まで待って、取り立ててやろうと決めた。
なんと質の悪い取り立て屋!
そして、夫人が探していた妾の生まれ変わりというのが、
ヴェレニス侯爵の娘、マチルダだという。

こうして、夫人もエル爺さんと同様、
取り立てる側の仲間(?)として加わりましたが、
この二人の老人パワーが凄まじくて、左手すら影が薄くなってます(笑)

こんなやり取りを見てると、作中で人間の娘・リジアも言ってましたが、
人間も貴族もそんなに変わらないのかもしれない、って思ってしまいますね。
途中、マチルダが、人間の少年ジジと、
白鳥のボートに乗って楽しい時を過ごす場面なんかもあります。

こういう人間と貴族の交わりこそが、神祖が望んだものなのかも!?
そして、この作品にも神祖は関わってきます。
最後にエル爺さんから重要な話も伝えられます。
これって、Dの旅の終着点?と思ってしまうのですが、
あいにく、そんなことなかったかのように現在もDシリーズは続いています。
ただ、Dについての核心をついていることは確かですね。
これがなかなか粋なワードだなぁと思いました。

Dの旅路については、まだまだ読んでいたい。
だけど、私が死ぬまでにDの旅の終わりも見届けたい。
複雑な気持ち。




吸血鬼ハンター(25) D‐黄金魔(下)

吸血鬼ハンター(25) D‐黄金魔(下)

  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/02/27
  • メディア: Kindle版


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