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SAMURAI DEEPER KYO 35

壬生一族最大の秘密を明かされた狂たち一行。
吹雪とひしぎは、最期の悪あがきをします。
絶体絶命の中、刀に宿る初代紅の王と会話をした狂が戻ってきた!!
狂は壬生一族の事情なんておかまいなしかもしれないけど、
先代紅の王を斃すために、最強の称号を手にするために、
邪魔する者には容赦しない!と。

そんな狂は仲間のことを「下僕」と呼んで、
まだまだコキ使うからこんなところで死なれちゃ困るなんて言ったり、
人間何を考え、どう生きようか、そいつの自由だろうが。
「したいこと」して何が悪い!?と豪快に笑い飛ばすのは爽快でした。
こういうまっすぐなところは、本当に「いいバカ」ですよね。

「弱かったなら上を目指してあがけばいい。
強かったなら、さらなる上を目指せばいい。
過去ばかり振り返り現状に安住しているてめえらに未来はねえ。
だた、堕ちていくだけだ」

人間、どうしてもしょうもない過去にとらわれてしまったりするものですけど、
時々この単純さがうらやましくなります。

最後の「真の紅き眼」を覚醒させた鬼眼の狂との闘いは、
激しさを増していく。
吹雪は太四老の長に引き継がれた禁忌技を発動し、自分の命を賭して闘う。
一方、ひしぎは死の病を発症させる。。。

ひしぎの死の病は今に始まったことではなく、
左半身についたおびただしい数のメドゥサ・アイが、生命維持装置の役割をしていたのだった。
そんなひしぎを、灯と遊庵は助けの手を差し伸べるのです。
「死んだら悲しむ奴がいる。そういう奴は勝手に死んだりしちゃあいけないんだよ」
「目の前に困っている奴がいたら助けてやんなさい」
こんなシンプルな思考回路だったけど、敵味方関係なく、生きる価値のない命などない、というように。

だけど、最期まで吹雪のそばで生き抜いたひしぎは、
吹雪に看取られながら滅んでいった。
一番の戦友まで失い、何もかも失った吹雪には、もはや誰の声も届かない。
対する狂も、死の病を発症していた。
正確に言えば、狂の魂が宿った壬生京四郎の体が…。
狂は自分でもわかってたけど、誰にも言わなかった。

なんだかんだ言って狂は、ここまでする吹雪達の想いをわかっていて、
自分に課せられた運命も全部わかってて、壬生に戻ってきた。
諸悪の根源である先代紅の王を斃すために。
誰かがやらなければならないからね。
それを仰々しく見せないように、単純そうに見せていたのが狂らしい。
ここでやっと、村正が狂のことを「希望」と言っていた意味がわかりました。

もう後がない吹雪は最期の最期まであがく。
かつての弟子の辰伶も割って入る。
彼は彼なりに、壬生一族は誇り高き一族として、プライドを持っていたのです。
「たとえ明日朽ちる命でも、その真実を旨に生き抜きたい」と。
こういう時に、辰伶のアツさは効きますね。
吹雪もその想いに応じ、自ら辰伶の刃に刺さる。
それは初めから決められていたこと。
吹雪の最期の役目は、自身とひしぎの悪業を、すべての罪を、
自らの命で清算し、悪の歴史を終わらせることだった。
吹雪自身もわかっていながら、多くの命を踏みにじる悪の道を選んでしまったのだね。
そして辰伶たちに壬生の未来を託し、吹雪自身も散っていく…。

吹雪の最期に、実の子の時人が間に合った!
やっと初めて「父様」と呼ぶことができたのに、切ないです。

クライマックスに向けて、ずーんと重い巻。
次はいよいよ狂vs京四郎の確執に決着がつくのか!?
壬生一族の秘密はわかったけど、この二人の間に何があったのかが、ますます気になります。



SAMURAI DEEPER KYO(35) (講談社コミックス)

SAMURAI DEEPER KYO(35) (講談社コミックス)

  • 作者: 上条 明峰
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/12/16
  • メディア: コミック


二人の太四老の前に絶体絶命!!
その時現れる鬼眼の狂の真の紅き眼!!

先代紅の王の魔の手によって
味方のはずの壬生一族が全滅!?

怒りに燃える鬼眼の前に
因縁深き最強の刺客が立ちはだかる!!
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