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D-白魔山(上)

今作の舞台は、なんと雪山!この時期にピッタリですね。
でもDが登る雪山なので、ただ事では済まされない!!
山肌は険しく、猛吹雪が吹き荒れる雪山です。
そこに貴族やら妖物やら、物騒な輩も続々登場します。

事の発端は、シーラ山に貴族の柩を乗せた飛行隊が不時着したことから始まった。
麓のムングスの村の村長から、飛行隊の積荷を回収してきてもらいたいと、Dは依頼される。
積荷の中身を教えることが条件とするDですが、なかなか教えようとせず、交渉は難航していた。
そこへ、神祖との過去を持つという女医・ヴェラの秘密を条件に、山登りを引き受けることに。

いつものごとくD単独で行くものだと思っていたら、一緒に登りたいと志願する人達がちらほら。
まず、秘密を持ち掛けた張本人、ヴェラ。女医の為、しっかり村長からの命を受けている。
証明書を見せられてはDも了承したが、面倒は見られないという条件付きで。
ヴェラの護衛に、ダストという大柄な男が同行し、お守り役はダストに一任されることに。
そして、女ハンターのリリア。Dと同様に依頼を受けていたのだが、Dが行くことを条件に雇われた。
そういう契約上、Dが行くなら、リリアにも当然、登る権利がある。もちろんDは面倒など見ない。
それから、父親を捜しに行きたいという少年・ルリエ。
Dに一緒に連れて行ってもらうよう頼みに行ったものの、当然のごとく断られました。
ところがDが山に登るより先にひとりで山に入り、倒れていたところをD達一行に発見された。
そして勝手に登ってきた人がもう一人。
別名「死人ナイフ」とも呼ばれるハンター、クレイ。
Dが心理攻撃にかかってるところを助けた。

そんな訳で「道連れ」というにはバラバラな面子で山登りをしております。
各々が自分達のペースで登っている為、基本的に他のメンバーのことは顧みない。
その割にはリリアが持っている退避壕を使ったりと、持ちつ持たれつの関係なようです。

ところで、あれほどDが気にしていた積荷は、貴族の柩だとあっさり明かされる。
その貴族とは、ギルゼン公爵。
地下3000メートルの深みに埋められた、貴族のものとはいえないような石の墓所。
仲間の貴族からもそんな扱いを受けたギルゼン公爵は、「悪鬼ギルゼン」として、あらゆる貴族から恐怖されていた。

飛行隊の不時着により、事実上自由になったギルゼンは復活する。
そして、山にかつてのような城をつくる。
城に入りギルゼンと相対したDの運命は!?
道連れになった面々はどうなるのか!?
続きは下巻のレビューをお楽しみに。

と、上下巻になったので、今回は本編にはそれほど触れないようにしておきます。
それよりも書きたかったのは、Dと左手のやり取り。
今作では、Dと左手のキャラが崩壊したのではないか?と、マニアが驚くやり取りがなされているのです。
サルサ酒が飲みたいと騒ぎだした左手が大声で喚き、村中の男たちを巻き込んでの飲み比べ騒動が起きたこと。
この時の左手のきかん坊ぶりがかわいくて笑えました。
また、寒さに弱い左手(この事実も初耳で、カワイイなと思ったのですが…)に対し、
Dが「これからは冬の前に耐寒訓練が要るな」と冗談を言った!!
これには、さしもの左手も仰天!
さらに、山に再度造営されたギルゼンの城の構造を類推記憶しろと命じられ、脳が灼けるとごねる左手に対し、
「頭を冷やすならいつでもできる」と冗談を言う。
一つの作品で二度も冗談を言うとは、左手じゃなくても驚愕するわ!
Dにどんな心境の変化があったのか気になってしまいました。
下巻ではどうなることやら…もう少しお待ちください☆


Dー白魔山 上 (朝日文庫 き 18-28 ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター 17)

Dー白魔山 上 (朝日文庫 き 18-28 ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター 17)

  • 作者: 菊地 秀行
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 文庫


貴族が入った柩を「都」へ搬送中の飛行体が、シーラ山に不時着した。
貴族の名はギルゼン。
仲間の貴族でさえその存在を忌み、何重もの鎖を巻いた柩に収めて地底深くに封じたというほどの、悪鬼として名高い貴族だった。
柩と貴族の回収を依頼されたDは、吹雪が荒れ狂う山に向かう。
同行するのは、Dの意志に反して集まった、男女二人のハンター、女医とその護衛、父親を探す少年の面々。
跳梁する妖物や山人を相手しながら、苛烈な山行が開始された。
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