SSブログ

蟲師 1

私が紹介している漫画はどれも素晴らしい作品たちなのですが、
中でも、本当に出逢えてよかった!と宝物のように思っている作品をご紹介します。

「蟲師」

およそ遠しとされしもの
下等で奇怪 見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしきモノ達
それら異形の一群をヒトは古くから畏れを含み いつしか総じて「蟲」と呼んだ

蟲とはそんな取るに足らない生命体なのです。
そんな生命体との共生を描いたファンタジーには、自然や生命力の偉大さを感じずにはいられません。
基本的に一話ごとに完結するので、単行本はまるで作品集のよう。
せっかくなので、一編ずつレビューを書いていきたいと思います。

緑の座
ものの形を象ると、それは生命をもって動き出すという、神の左手をもつ青年の話。
生命を生み出すなんて神の所業であり、ヒトのなすべき業ではない。
よって、人里離れた家にひとり暮らしているという…。
それは亡くなった祖母の言いつけではあったが、祖母が亡くなった後も青年はひとりではなかった。
祖母はずっとそばにいたのだ。亡くなる前から蟲たちの世界に半分身をおきながら。
それがわかった瞬間、涙が流れた。
分かり合えなかったのではなく、わかるからこそ、守りたいがための一途さに心を打たれた。

柔らかい角
とある雪深い村で、両耳を病んだ少年の話。
原因は、あらゆる音を喰う蟲と、その蟲が作り出した無音を喰う蟲が寄生したため。
額に生えた角は、カタツムリのそれに酷似している。
耳の中に「うずまき管」という蝸牛に似た器官がありましたよね!
学生時代に習ったことを少し思い出した。
少年は無事に正常な聴覚を取り戻すことができるのか、本編にてお楽しみ下さい。

枕小路
夢で見たことが本当に起きてしまうという男の話。
それは良い夢でも悪夢でも…。
この事象にも蟲たちが関係していたのです。
このお話は、もとになった伝承(?)の方が興味深かった。
「枕」の語源は「魂の蔵(たまのくら)」であり、生きている内の三割近くも頭を預けている場所であるため、
そこに魂が宿ると考えられたという説。
そう言われると確かに納得できる。
確かに、寝るときの姿勢で悪夢を見たりもするし、自分に合った快適な枕を手に入れようと思った。
って、なんか枕の宣伝みたいになってる(笑)

瞼の光
目を閉じるとチカチカとうつる何かがある。
それは瞼の裏を通る視神経だと思っていたけど、それをさらに閉じることで完全なる闇が手に入るらしい。
その闇を好む蟲がいて、寄生されると目を失ってしまうのだが。。。
どうやったらその2つめの瞼を閉じることができるのかわかりません。
が、疲れ目の時、じっと目を閉じて休んでいても、瞼の裏でチカチカして落ち着かない時はある。
あの現象のことかな??
ヒトは闇に浸っていると侵されてしまう、ちゃんと光に当たらないと!と思った瞬間でした。

旅をする沼
1巻の中で一番好きな作品だったりします。
村を水禍から守るために、生贄となった少女が、沼と一体化して旅をしたという話。
沼の正体は水蟲という液状の蟲で、海に出て滅ぶ直前だったのでした。
昔の人はこういう自然がもたらす災いにも「水神様」と畏れを抱いて、折り合いをつけていたんだろうな。
沼は海に出る前にいくつかの子孫の沼を残していきました。
以前、修学旅行で行った五色沼を思い出して、こんな風にできたなら面白いな~なんて思ってみたり。


蟲師 (1)  アフタヌーンKC (255)

蟲師 (1) アフタヌーンKC (255)

  • 作者: 漆原 友紀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/11/20
  • メディア: コミック


タグ:蟲師
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0