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ベルセルク 15

おとぎ話…
それは子どもたちの空想であり、リアルであり、真実である。
そんな世界をモチーフにした、今回のお話。

エルフはおとぎ話にはよく出てくる存在ですが、
愛嬌があって、無邪気で、ちょっぴりいたずら好きで…っていう象徴ですね。
そのいたずらも本気になると…。

子どもたちって、何をするにも本気なんです。
嬉しいことや楽しいことはもちろん、怒りも哀しみも。
どんなことでもリアルを求めるのです。
たとえそれが残虐なことであっても…。

マザー・グース等のおとぎ話に、ちょっぴり残虐な言い回しが紛れていることがあります。
でもそれが、子どもたちが追究したいと思うリアルな世界で、そこに子ども騙しは通用しません。
おままごとに実生活が反映されてしまうのも、そのためですね。

エルフ達が住む霧の谷は、まさに子どもたちだけの国。
そう考えるとピーターパンにも繋がる部分がありますね。さしずめパックはティンカーベルか!?
リアルをごまかす大人たちの姿を見た子どもたちが、子どもたちだけで自由に、本気で暮らす国。
「あんな大人になりたくない!」って思ってるのでしょう。

その代表格が、女王エルフとなったロシーヌ。
彼女の原体験が、「赤い目のピーカフ」というオリジナルのおとぎ話を元にして語られているのですが、これは見事だな~と思った。
両親の不和で子どもが傷つく気持ち、よくわかります。
親は子どもをとりなしてるつもりになってるけど、子どもはそれほど甘くない。
親の予想以上に事実を受け止め、責任を感じて傷ついているのです。大人はなかなか気付かないけどね。
それで「自分がいらない子なんだ」って責める気持ちもよくわかる。

ロシーヌの場合は、ベヘリットによって救われた。
結果、両親を生贄に捧げたわけだけど、こんなに幼い子でも使徒になれるんだなぁと思った。
相当な覚悟があったのでしょう。
ただ、こういう家庭に育った子っていうのは、大概、大人びてる気がする。

この巻ではまだ決着がつかないんだけど、個人的には興味深いエピソードが満載です。


ベルセルク (15) (Jets comics (675))

ベルセルク (15) (Jets comics (675))

  • 作者: 三浦 建太郎
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1998/01
  • メディア: コミック



タグ:ベルセルク
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