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海盗セブン

私にとっては地球ゴージャス2作目。
「海を盗んだ7人の大怪盗」の話ということで、
ド派手でゴージャスな舞台です。
まさに、地球「ゴージャス」(笑)

舞台は、小野武彦さん演じるフィクサー・ジョーが、
海盗セブンを呼び集めることから始まります。
その一幕、フィクサー・ジョーに従う「子フィクサーズ」(←っていう書き方でいいのか?)が、
「フィクサー・ジョー!」と声をあげる度に、
ジョーが決めポーズをする、その間合いがピッタリで凄い。
このくだりがしつこいくらいにあるんですけど、
全くブレないので見てられます。

第一秘書であるシーサー・メグにも同じくだりがあります。
それでもやっぱり見てられる。

ジョーは海盗セブンを既に招待したと言うものの、
彼らの姿は未だ誰も見たことがないし、
どこにいるのかもわからない、とのことで、
どうやって招待したのか?という謎があるのですが、
見事な手法で忍び込んでくるのです。

まず初めに三浦春馬くんが演じるワイルド・アッパー。
彼が忍び込んでるのはほんとに気づかなかった。一体いつから!?
アッパーにはテーマソングがあって、
衣装なんかもちょっとダサめ(失礼)なのですが、
ダンスは相変わらずキレッキレ。
春馬くん、ゴージャスオーラを纏って輝いてます。

次に、ボディラインあらわなぴったりボディスーツを着たマリアの登場シーン。
警備隊と遭遇しそうになり、華麗なタップダンスでかわしていくのですが、
その応酬がカッコイイ!!

そして、飄々と現れてJONTEさん演じるソギル。
流しのミュージシャン気取りでアコーディオンを持っているのですが、
そこからなんと煙幕が出ます!
この辺りから警備隊に目撃し始めます。

一風変わった登場方法だったのが、スーツ姿の寺脇さん。
一見普通のサラリーマン風ですが、こちらも海盗セブンの一人で、
「田中剛」というそうです。名刺を配って歩きます。
もう登場シーンから寺脇さんワールド全開で、ギャグの連発!!
中でも泥棒業界のランク事情の話は面白くて、
どうやらコソ泥→怪盗までランクになっているそうです。
ちなみにランク外で「万引き主婦」がいるそうで、
これに関してはどうにかしたいと思っているところだとか。
このネタ、後々忘れた頃に回収されるので、お楽しみに。
こういうところ、ほんと細かいですよねー。

田中の見せ場は空手。
だけど、攻撃がヒットした瞬間は破壊力があるものの、
相手がすぐに回復してしまうという、致命傷にはなり得ない技。
ハードとソフトを織り交ぜたところが寺脇さんらしい。

徐々に集まりつつある海盗セブン。
既に潜入していたメンバーも加わって、面が割れていきます。
アッパーの武器は、名前の通り「アッパー」。
当たれば必殺の技なのですが、それがなかなか当たらない。
なぜなら、アッパーが圧倒的に遅いのです。
さながらコマ送りのよう。
隙をつかれて攻撃を受けた時の、春馬くんの天使のような寝顔に、
撃ち抜かれた人たくさんいるでしょう(笑)

そして岸谷さんもラッド・ジェントルという、大泥棒界のベテランで、
海盗セブンメンバーの一人として登場します。
ラッド・ジェントル=日本語訳すると「ねずみ男」!?
登場シーンの「大海原を駆け抜けて~」というフレーズは、
「星の大地」でもあったかしら。
もしや地球ゴージャスではお約束の名物!?(勉強不足ですみません[あせあせ(飛び散る汗)]

「ねずみ」をネタに他のメンバーからいじられ、そこから仲間割れが勃発。
ラットVS他のメンバーとのダンスバトルに発展。
全員真剣に取り組んでいて、見ごたえがあります!

ここまでで7人ちゅう5人が到着。
残る二人(一組?)は、満を持して登場の大地真央さん。
まるで宝塚のレビューショーのように、華やかなステージは見物です。

大地真央さん演じる「かまいたちA子」に対して、
双子の妹が森公美子さん演じる「どくまむしB子」。
全く対照的な二人なのですが、双子なのです。
瞳とか口元とか髪型とか、パーツは似てるけど、
B子の方が(体が)伸びちゃっただけ、とか。
昔はB子も伸びてなかったらしく、、瓜二つだったそうです。
それで、この双子の姉妹は二人で一組。

こうして、セブン全員が集結しました。
一所に集められた彼らは、しばしワチャワチャやり取りをします。
その中で、爆弾となったシーンが。
森さんの表情を、大地さんが真似するところがあるのですが、そこで自爆。
周囲もつられて被爆。
そこからは、各役者が次々とミスするというw
それでもプロなので芝居を止めることなく、
気まずい感じにならずに処理していくのはさすがです!

そろそろジョーがセブンを呼んだ目的を話したいというところで、
第一幕が終了します。
ジョーのオーダー=セブンの依頼内容とは、ざっくり言うと、
「子どもたちから悲しみを盗んでくること」。

ジョーは「子どもたち」と言っていますが、
これは悲しみを抱えた全人類に当てはまります。
実はこれには、岸谷さん自身の思いも込められています。
当時、震災直後で、エンタメ界では何もできることがありませんでした。
だけど、ちょっとずつライフラインなど物質的なものが復興していく中で、
今度は人々の心を元気にするための力が必要になった。
そんな時に効くのがエンタメだと思うのです。
日本中を演劇で元気にしたい、というところで始まったこの公演。
そもそも地球ゴージャスというユニット自体にもそういう大義があったかと思うのですが、
それを思うと、この作品の偉大さを感じます。

こうして、ジョーからの重大なメッセージが告げられたところで、第一幕が終了します。
第二幕は、そのオーダーをセブンたちが受けるかどうか…。
各々にあてがわれた部屋で過ごすところから始まります。

舞台上は、7人のイメージカラーで証明が当てられていて、
そこにベッドだったりちゃぶ台だったり、部屋を象徴するような家具があるだけ。
ドアや壁などの仕切りはないのですが、役者がマイムでドアをノックしたり開け閉めすることで、
部屋が仕切られることが明確にわかります。その演出も技術もスゴイ!
物理的に7部屋仕切らないことで、それぞれの過ごし方が同時進行で見れますもんね。

ジョンテとB子、田中とマリア、A子とラットと、気になる会話にスポットが当たります。
特にA子とラットは、過去に関係があったみたい。
アッパーは…ドンマイ★

オーダーを受けるか、あまり乗り気じゃなかったセブンですが、
ジョーからの有無を言わせない圧力(ジュリ扇軍団)によって、
依頼を受けざるを得なくなります。

こうなったら誰かが仕切らなくちゃいけない、ということで、
ここはラットが仕切ることに。
かなり個性的なメンバーが揃っているので大変!
チームワーク作りとして、身体を動かす体操から始めてみるも、既にバラバラ。
手拍子を合わせるだけでも揃わない。
そもそも「他人と同じことをするのはまっぴらごめん」という人たちなので、
揃うわけがないのです。
それなら、好き勝手に手を叩いてみると、見事なリズムができる。
つまり、勝手にやらすことですごいチームワークが生まれることを発見するのです。

メイキング映像の中で、岸谷さんが稽古中に言ってましたね。
「すごい個性がなければ素晴らしいものは作れない」と。
まさにその通りで、この作品(=ショー)ができたら、悲しみを拭い去ることができるのです。

舞台上でのチームワークの確認作業は進み、
それぞれが「自由に動いて止まってみる」と。
すると、ダーウィンの進化論の縮図のようなものができました。
もう1パターン、野球のピッチャーの投球の分解もあります。

まさに、個性はバラバラでも、素晴らしいものを作り上げるチームワークを発揮する。
これは何もエンターテインメントだけじゃなく、会社組織もそうですよね。
勤務先が外資系のため、よくチームビルディングが飛び交っています。
いろんな方法がありますけど、役者も稽古でいろんな方法を取り入れている。
役者の場合はそれこそ期間限定のチームのために、短時間でチームビルディングをする。
ぜひ参考にしたいなと思いました。

こうして、素晴らしいショーが作られていくのですが、
その過程でセブンたちの悲しい過去も明かされていきます。
彼ら自身もそれぞれ悲しみを抱えていたのです。
中には、在日韓国人など社会的なものも含まれています。
彼ら自身がそれを克服し、殻を破り、最後には素晴らしいショーが実現する。
そのショーの場面単体でも十分見応えがあります!!

中でも春馬くんがローン宙をするところ!
これ、制作発表の記者会見で公約していたのですが、無事に成功するのです。
春馬くんは役をもらうごとに、未知の引き出しが開いていって、
この作品の春馬くんは色気があって、ものすごいオーラでキラキラしてたなぁ。
これからも輝き続ける春馬くんとか、パパになった春馬くんとか、
いろんな春馬くんを見続けていたかったです。
でも、このキラッキラの春馬くんは、私の心の中でも永久保存したいと思います。

ちょっとしんみりしちゃいましたが...
何度見てもスカッとするし、エンターテインメントの底力を感じました。
実際にもスタンディングオベーションでしたが、
私も家でスタンディングオベーションしてました!
力をもらいたい時に是非オススメな作品。





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  • 発売日: 2012/10/24
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