ベルセルク　２４：裏庭ストレージ：SSブログ

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ベルセルク　２４ [編集]

気が付いたら大所帯になってしまったガッツ達一行。
イシドロに剣術の稽古をつけるガッツは、闇の中で戦ってると大違いで、
師匠と弟子というより親子みたい（笑）
キャスカをファルネーゼに任せられるようになったのも、一役買っているんでしょうね。

そんな一行にまた新たな新メンバーが！！
それもなんと魔女。
魔女狩りで狩られていたまがい物ではなく、正真正銘の魔術士。
魔女とか魔術なんていうと、自分の恣意的な欲望のままに魔法を使ってるイメージがあるけど、
そうではなく、この世の理を知り、その在り方を探る、哲学的なもののようです。

現世の全ては三位一体といって、他に二つの世界と重なり合い、成り立っている。
一つは幽界という精神の世界、もう一つは存在の根源である魂、本質（イデア）の世界。
ガッツ達が今まで出会ってきたこの世ならざるものたちは、全て幽界に存在するはずのもの。
それが烙印の力によって、引き寄せられているという。
エルフやトロールとか、よく伝説に出てくる類のものたちも幽界の住人で、
昔から人々がその存在を信じているから、エルフが見えたりする。
子どもの頃に妖精を見たことがあるのは、妖精が実在することを認識しているから。
次第に一つの宗教が広まり、人間独自の世界観が広がることで、
幽界の住人たちはあやしげな存在として、信じるどころか認識されることすらなくなった。
そういえば、ファルネーゼが初めてパックを見たり、ガッツが妖物と戦ってるのを見ても、
「こんなものが存在するはずがない！」って言ってたのを思い出しました。
人は世界の成り立ちや大いなる謎について、「宗教」という理性で解き明かそうとしたけど、
魔術師たちは世界の在り方そのものを受け入れ、内なる感性から探究する「魔道」に従事する。
つまり魔道とは、今で言うとこの究極のロハスなのではないかと。
宗教とか文明とか理性であらゆるものを発展させてきても、結局、心や感性を無視することはできないんだよね。
「こうすれば良いことが起こる／悪いことが起こる」っていう因果関係に、明確な証拠はない。
だから時に、運命や直観とか、説明できない感覚に従うことが必要なのでしょう。

そんな幽界を探究し、多くの知識を持つ魔女フローラに、ガッツはベヘリットやゴッドハンドについて問うてみるものの、
やはり彼女にとっても大いなる謎のままだった。
グリフィスだけじゃなく、他の４人もかつては人間だったようだけど…？
ガッツがこの最大の謎にたどり着く時はくるのでしょうか？
そうなったらいよいよ最終回になっちゃうけど、語られないまま未完で終わるのもイヤだな…。
グリフィスのことだけじゃなく、髑髏の騎士とフローラにも繋がりがあるようで、この人も謎が多いなぁ。

さてさて、今回はイーノック村のトロール退治を手伝うことに。
トロールも伝説上の生物でいろんなところで聞きますが、
ムーミンみたいなかわいいものだったり、ハリーポッターに出てくるようなデカイのだったり。
伝承される土地によってイメージが違うのでしょうね。
ベルセルクに出てくるトロールは…全くかわいくありません。いつも通り。
そのトロール退治のために、フローラの弟子シールケから様々なアイテムを与えられる。
風の精霊や火の精霊たちが宿った武具だったり、魔除けの銀の鎖帷子だったり。
いかにもファンタジー系RPGに出てきそう！
でもちゃんと魔道によるいわくが説明されると、感心してしまう。
アイテムだけじゃなく、念話（＝テレパシー）はいいなぁって思った。」
内なる探究を積めば、実際にいつかできちゃったりしないのかな？（笑）

ガッツに憧れて最強の剣士を目指すイシドロに然り、子どもの頃に見た魔女を探し回ったモーガン爺さんに然り、
男の人の方が意外と夢見がちでロマンチストな気がする。
女の人は子どもを産んだり、どうしても現実を見なくちゃいけない時があるからね。生物学的な問題！？
いかんいかん、言ってるそばから理性的に分析してしまったよ！

哲学的な要素が語られたり、ちょっと難しい概念が多い巻でしたが、こういうの大好きです。
ミッション系の中学・高校に通って聖書を読んだりしてたので、馴染みやすい話題でもあったり。
これはもう大人のおとぎ話。まさかこんな展開になるとは、１巻から読み始めた頃は想像もしてませんでしたね。