SSブログ

ベルセルク 21

断罪編という壮大な一編が完結するこの巻。
1冊で十分悟りが開けてしまうのではないか!?というほど、大きな感銘を受けた巻でした。

どうにもならない災厄にみまわれたとき、人は何に救いを求めるのか?
わかりやすいのは神様。
救いを願う方法はいろいろあれど、果たして、盲目的に信じているそれは、本当に正しいものなのか?

ベルセルクでは邪教徒狩りの時代であり、世界を一つの共通の宗教によってまとめようとしていたのですが、
その宗教自体が絶対なのか?と問われると、誰にもわからない。
宗教は人間の営むものだし、人にはそれぞれの心があるから。
結局、悪鬼のような形相に姿を変えた、異端審問官のモズグスは使徒じゃなかったのかな?
ベヘリットやゴッド・ハンド、蝕について触れないしから使徒じゃなさそうだけど。
自らが天使のような認識を持ってしまえば、ゴッド・ハンドなんか目じゃないのかも!?
だとすれば、人が人外の者になる方法が、他にもあるってことだよね…(怖)
信じるモノを失い、恐怖に駆られた群集がなだれ込んだ塔が崩れ、人々はそのがれきに呑み込まれてしまう皮肉は、妙にリアルでした。
理性を失った人間ほど恐ろしいものはないと思う。

とまあ、小難しいことを無い知恵絞って考えたところで、答えは出ないんだけど。
今回もルカの活躍には圧倒されました!
ほんと脇役にしておくには惜しい><

いっそのこと臆病者なら臆病者の意地ってのを見せてごらんよ!
息を殺して、じっとして絶対物音立てるんじゃないよ!
立派におっかながって見してみな!
案外あんたみたいのが、一番しぶとく生き残るのかもよ

これは津波のような魔物が押し寄せてきたとき、ニーナを樽の中に閉じ込めたときのルカのセリフ。
生き残るために、常に前向きな姿勢を崩さない強さに勇気づけられました。
私も誰かにこんな風に言ってもらいたかったな。
私にはこういう人間臭い説教の方が効くのかもしれない。
だからグリフィスよりもガッツの方が親近感わくんだろうなー。

ルカはまた言う。
生き延びようとすることと、恐怖から逃れようとするのは別のことだと。
恐怖に我を忘れて周りに流されずに、最後まで生き延びるために行動した者が順当に生き残ったんだ。
神さまはどうにもならない運・不運を人に押しつけるけど、それでも人が自分達で何とかできる領分は残しといてくれてるよ。

このセリフを読んだ時、自分の意気地の無さに愕然としたよ。
不運に嘆くばかりではなく、打開するために行動しなきゃ!!


生き残ったといえば、聖鉄鎖騎士団副長のアザン。
彼はまた因果な方法で生き残っていたよ。これもまた凄い。
日頃から行いがよかったのかな?(笑)

そんなわけで、断罪編が完結しました!
思えば、人間の本質に深く踏み込んだストーリーに、考えさせられっぱなしでした!!


ベルセルク (21) (Jets comics (839))

ベルセルク (21) (Jets comics (839))

  • 作者: 三浦 建太郎
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2001/05
  • メディア: コミック

ついにがもどってくる! 
千年に一度の受肉をもって現世に現れるのためにすべては揃えられたのだ。
断罪の塔、怪異、使徒、完璧な世界、邪教、そして『蝕』。
その大きなうねりの前にはガッツの運命すら因果の中なのか!?
断罪編完結!
タグ:ベルセルク
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0