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D-ダーク・ロード2

端的に言うと、前巻が辺境に行きる男達の物語だったとすれば、
こちらは対照的に、貴族の女たちの物語だと思った。

このシリーズのラスボスはギャスケル将軍なのですが、
どういうわけが彼は多くの味方を甦らせているのです。
その誰もが、凄腕で、伝説に名だたるような、有名な貴族たち。
聞いてると本当に大物ばかりみたいです。

そんな中でも特に注目したいのが女貴族たちの活躍。
ローランサン夫人
レディ・アン
グレートヘン博士
年齢層も違えば、位や役職も違う。故に性格も違う。

ローランサン夫人は、3人の中では一番普通のパターンで、
攻撃も煙幕を張ったところに針を投げつけるという、割とオーソドックスな感じ。
ただし技の名前が女らしく死煙恋針ときた!!

レディ・アンは見た目は10歳の少女。
でもさすがは貴族なので、10歳にしては妖艶なおませさん。
この少女はなんとDに恋してしまうのです。本気で。
その痛々しいまでに献身的な愛情が伝わってきます。
執念深い吸血鬼に惚れられるほど怖いことはないかもしれませんね。

そしてグレートヘン博士。
この女は本当に残忍で恐ろしいです。
女としての執念もさることながら、何よりも化学者故の冷徹さ。
毒薬の専門家で、人間や貴族を問わず、どんな人が相手であろうと実験対象にしか見てません。
将軍ですら扱いに困っているという、究極の女貴族です。

この女貴族たちに共通するのは、攻め方が女らしいです。
花を使ったり、優雅さの奥に潜む毒だったり、女のしたたかさが極められた感じです。
そして、これぞ究極のドSです。さすが貴族。
ここまでくると、恐ろしいというよりも、称えたくなってしまいます(笑)
最近、私がドSと言われるようになったのは、この辺の影響もあるのか!?

実はこの記事を書くにあたり、通勤中の女性専用車両で読み直していたこともあり、
何だか妙に生々しかったです(笑)
ところで、不老不死を誇る貴族ですが、
何歳くらいの見た目で止まるかっていうのは、どうやって決まるのですかねぇ?
今回で言うとレディ・アンは少女、グレートヘン博士は婦人というように。
これって女としては重要なのでは!?と、ふと思ってしまいました。

そんなことはさておき、物語はまだまだ終わっていません。
何せまだラスボスはちゃんと登場してないですからね!!
作中のアンケートによると、「興味のある貴族」の第二位だそうです。一位はもちろん神祖。
Dの世界でも、ワイドショーみたいな感覚は同じなんですね♪
確かに貴族はセレブですもんね。ゴシップのネタには十分なり得ると思う。

それだけじゃなく、輸送屋の男たちの運命、少女の恋、女博士の思惑、犠牲になった少女ロザリアの宿命…
いろんなことが絡まった結末は次巻に持ち越しに!!
なるべく早く読んでレビューを書いてしまいたいと思います★


D-ダーク・ロード 2 新版 (朝日文庫 き 18-18 ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター 11)

D-ダーク・ロード 2 新版 (朝日文庫 き 18-18 ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター 11)

  • 作者: 菊地 秀行
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社出版局
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 文庫

史上最凶の貴族・ギャスケルのもとに招かれた客人たちは、その悪逆非道の残忍さでは彼にひけを取らない、一騎当千の貴族ばかりであった。
彼らが新たに甦った理由は唯一つ、Dを斃すことにある。
ギャスケルの移動領地に入ったDの一行に、死煙と恋針を操るローランサン夫人が、そして装甲甲冑に身を固めたゼノン公が襲いかかった。
確実に屠り、撃退するDだが、陽光の下での相次ぐ戦いに激しい消耗を強いられていく。
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