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D-薔薇姫

今回の敵となる吸血鬼は女…、です。
薔薇に囲まれた城に住み、薔薇のみを愛でると、とっても優雅に聞こえますが、貴族は貴族です。
首筋に牙を立てる意外の方法で人間を下僕にした、恐るべき技を持っています。

姫には4人の家来がいました。
その名も、ダイアンローズの四騎士
黒騎士、紅騎士、青騎士、白騎士と、今思えば薔薇の花の色にちなんだ名前になってたのですね!
この作品全体を通してですが、色彩表現が豊かでした。 読みながら、色鮮やかな情景が浮かんできます。
4人の性格は異なりますが、姫に対する忠誠と、騎士としての誇りは共通です。
言うまでもないですが、人間ではありません。しかし貴族でもありません。

この姫と4人の騎士達が村を支配していたのです。
反抗する者には凄惨な処罰を加えましたが、村を襲う災いから守ったのも彼らでした。
おかげで人間と貴族は、他の村に比べていい関係でやってきたという。。。
そんな村でも、もはや貴族の時代ではなかったのです。

ただ朽ちていくだけと知りながら、広大な城に一人、姫はさぞかし寂しかったことでしょう。
姫の口調も、強がりも、その寂しさの反動だったのではないか!?なんて思ってみたり。
4人の騎士達も長い間姫に仕えながら、口には出さない虚しさを悟っていたのでしょうね。
それぞれの散り際にも注目!!

人間側の対抗勢力として、技が光った職人たちがいた。
まず魔法医師のママ・キプシュ
多少の貴族化ぐらいだったら、魔法の煎じ薬で治してしまう!各村に一人は欲しい人材だよ。
それから鍛冶屋のブラスコ
Dに頼まれて、一晩で、望みどおりの優れた剣を仕上げた!
今回のDは、珍しく何度も剣を折られてる…。

この作品もやりきれない話でしたね><
村の不良娘エレナは、妖殺行のレイラみたいなタイプだと思ったんだけど…。
終わり方や構成は気に入ってます。
むしろシリーズで一番好きな終わり方かもしれません。私は。
賛否両論あると思うけどね;


D-薔薇姫―吸血鬼ハンター 8 (朝日文庫―ソノラマセレクション (き18-10))

D-薔薇姫―吸血鬼ハンター 8 (朝日文庫―ソノラマセレクション (き18-10))

  • 作者: 菊地 秀行
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 文庫

薔薇に埋もれた城館に住むと呼ばれる貴族と、それに仕える忠節無比の四人の騎士は、妖物や天災から村を守る一方、命に背く村人を容赦なく惨殺して、長い年月、村を支配下に置いてきた。
だが、時の流れはこの村にも貴族の支配に疑念を抱く若者を生み、それに対する姫の側の報復も凄惨の度を増した。
そして、惨劇のさなか、Dが村に足を踏み入れた。
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