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Dr.コトー診療所 12

まずは前巻で倒れたタケヒロの治療から。
狭くなった大動脈を修復するためには、「弁置換術」という大動脈そのものを入れ替える手術が必要だが、
成長にともなって再手術になる可能性があるのと、術後は血液の凝固を抑える薬を一生飲み続けることになる。
タケヒロの長い将来を考えると、なかなかすすめられない手術。
そこで、そんなリスクを負わない手術が一つだけあるという。
それが、「ロス手術」。
人工弁を使う代わりに肺動脈弁を切り取って、それを大動脈弁に移植する方法で、
移植された弁も心臓といっしょに成長する為、子供の弁膜疾患には一番理想的な方法だそうです。
ただこの手術、非常に難しい手術で、コトー先生はまだ一度も経験がありません。
コトー先生自身も二つ返事で承諾というわけにはいかず…。
それでもコトー先生に絶対の信頼を寄せる原さんの頼みにより、コトー先生が執刀することになりました。
さすがに診療所では設備が足りないということで、かつてコトー先生が勤めていた大学病院で行うことに。
助手として紹介されたのは、あの音田先生でした。
9巻で、不在のコトー先生に代わって診療所に派遣され、当時はあまりの重圧に逃げ出そうとしていました。
でもコトー先生の遠隔サポートのおかげで、精神的にも技術的にも成長し、今や第一外科のエースだそうです!
音田先生意外は初顔合わせのメンバーで、緊張感漂う中、アクシデントもありながらも、
驚異的なスピードで術式をこなし、手術は無事に成功!
こんな離島の医師が、最先端技術を誇る大学病院でも引けをとらずに難しい手術をこなしてしまって、
これじゃ大学病院も形無しかも…。
何だかドクターXみたいだな…と思いつつ、きっとコトー先生も離島でのたたき上げのスキルが武器になっているのかな。
もちろんそれだけじゃないけどね。

これだけ大きな手術だった為、気になるのは費用面。
原さんは船を売る決意までしていました。
ところがここで、漁労長のしげさんが、珍しくいいこと言ってるんです!
豊漁祭のための村の積立金を、タケヒロの手術代に充てられないかと。
何があるかわからないのはお互い様で、こんな時に助け合うのが協同組合なのではないかと。
まさに漁労長のカガミのような発言。
結局、今回は大学病院で貴重な手術の経験になったということで、手術代はタダになり、
徒労に終わったんですけどね(笑)
オチもついたところで、タケヒロの手術も成功し、原さんの船も売られず、豊漁祭も無事に行われて良かったです。
余談ですが、私の身内にもどういうわけか心臓や血管の疾患をもつ人が多く、他人事じゃないな、とも思いました。


お次は新キャラ登場!?
豊漁祭の日に診療所にやってきたのは、村長の姪の下山恵美さん。
看護師で本土の病院に勤めていたのですが、なぜ古志木島にやってきたのか…?
コトー先生が豊漁祭に駆り出され、留守中に事件が起きます。
豊漁祭といえば、毎年、飲んで大騒ぎした村民たちが病院に運ばれてくるのが恒例なのですが、
今年も第一号の急患がやってきました!
運ばれてきた若尾さんの様子を見た星野さんは、早速下山さんに血糖をはかるよう指示します。
その結果、ケトアシドーシス(=急性発症の糖尿病性昏睡)と判断。
今すぐインシュリンを打たないといけない状況ですが、医師が不在…。
ここは星野さんの適格な判断と決断力により、インシュリンを皮下注射しました。
その後、若尾さんが心停止!!
そこへちょうどコトー先生が帰ってきたので、どうにか助けられました。
原因は、インシュリンを打ったあとのこと。
星野さんはカリウムを点滴に追加するよう下山さんに指示したのですが、カリウムを側注していたのです!
診療所を飛び出した下山さんに、コトー先生が問いただすと、前の病院での不満が飛び出しました。
下山さんが勤めていた病院で医療ミスがあったのですが、看護師長やベテランがグルになって、
全部下山さんのせいにされたというのです。
どおりで来て早々、反抗的な態度をとっていたわけだ。
そういう鬱屈したものが積み重なって、気が付いたら側注していたということ。
どんな事情であれ、看護師はミスしてはいけない。
ドクターXで「医者は失敗しちゃいけない」っていう台詞があったけど、看護師も同じ。
それが故意によるものだったら、なおのこと罪は重い。
星野さんの喝と、コトー先生の諭しによって、下山さんの目も覚めたようでした。

そんなことをしているのも束の間、診療所に続々と患者が運ばれてきます。
その中で、産気づいた和田さんの奥さん(環さん)が運ばれてきます。
ここは産婆歴50年のベテラン・内さんの出番!
下山さんもお手伝いに入ります。
産まれたての赤ちゃんを抱いて、命の重さを痛感したのでした。
こういう時、出産の立ち合いは効果覿面ですね!


そして最後は、星野さんのお父さんの話。
今まで星野さんの家族の話はなかったというか、両親ともに亡くなったとされていました。
それが実は、星野さんのお父さんは、星野さんが小さい頃、若い女性と島を出て行ってしまったのです。
もう何十年も会っていないお父さんが癌だという知らせが入ります。
いろいろと思い悩んだ星野さんですが、本土の病院に会いに行くことにしました。
しかしそこでは、早急になされるべき手術が行われず、放置されていたのです。
星野さんはお父さんを退院させ、古志木島に連れていくことにしました。
その時のセリフ、
「私がこの人を、本当の医師のいるところに連れていきます。」
これにはしびれました。
看護師としてはもちろん、娘としても、こんな不当な扱いを受けていることが許せなかったのでしょうね。
さて、今回もこの続きは次巻へ持ち込み。
詳しくはまた次回書きます。



Dr.コトー診療所 (12) (ヤングサンデーコミックス)

Dr.コトー診療所 (12) (ヤングサンデーコミックス)

  • 作者: 山田 貴敏
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: コミック


絶海の孤島・古志木島の小さな診療所で
数々の難手術を成功させるDr.コトーこと五島健助。
中学生になったタケヒロの心臓に異状が認められた。
島の設備では対応できないと判断したコトーは
昔自分が在籍した、東京の天津堂大学病院でオペを行うことを決意する。
だがそれは、今までにほとんど成功例を見ない難しいオペだった。
果たしてその結末は…………
奇跡と感動の離島医療物語。
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