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SAMURAI DEEPER KYO 20

ついにKYOも20巻到達!
ここまでくると長寿連載ですね。
でもまだまだ謎は解けてないですが、少しずつ点と線がつながり始めてます。

前巻から始まった紅虎vs太白の闘い。
互いの想いをぶつけ合う、いい死合展開となってます。
鋼の如き信念と非情なまでの厳しさをもって挑んでくる太白に対し、
紅虎は苦手とする父・家康の姿を重ねます。
紅虎(=秀忠)は天下人の息子として生まれ、ストイックな環境に育ちましたが、
偉大すぎる父の存在感に圧倒され、常にプレッシャーとの戦いでした。
そんな時、教育係?も任されていた家来の鳥居は秀忠を諭します。
「己に克つことのできぬ者が、他人に勝つことなどできぬからです」
家康は後にこの鳥居をも囮にして死なせてしまう、一見したら冷酷非道に思えるのかもしれませんが、
単に部下だから死を言い渡しているのではなく、家康にある想いがあってのことなのです。
自分にほれ抜き従った部下たちが、戦場で死ぬ時本当に欲しいのはその死を悲しむ涙ではなく、
散っていく魂を決してムダにすることなく受け継いでくれる意志だと。
これぞ侍魂、殿に仕える家臣たちは、そんなことを思って、命がけで仕えていたのですね。
そしてその上に立つ者にも、家臣たちの命の重みを受け止める器の大きさがなくてはならない。
秀忠はその大きさや重さに耐え兼ね、父の跡を継がずに逃げようとしていました。
そんな秀忠に鳥居は、父・家康と同じ器になろうなんて思わず、まずありのままの自分を認めること。
人間誰もが弱さやコンプレックスなど目を背けたくなる部分を持っているけれども、
ありのままの自分を知り、受け止めることで強くなれる。
それが己に克つということなのです。

これは確かに現代に生きる我々にも通ずる、良い言葉だと思います。
完璧な人間などいないのだから。
もしかしたらあの家康も、人には見せない弱さがあって、それを克服して大きくなったのかもしれないね。

そんな鳥居の後押しのおかげで(?)、短時間でメンタル面で成長した紅虎は、太白と対等に闘うことができました。
闘い終わって、紅虎が「この天下、そしてこの平和は誰にも渡さない」と言ったときはカッコよかったな。
紅虎に覚悟が芽生えた瞬間でした。

一方、太白はというと、実はもともと壬生一族の人間ではなく、名もなき武将の家臣でした。
落ち武者となり樹海まで逃げ込んだところを先代・紅の王に救われたという。
彼はその恩義に報いるために仕えていた一般人だったんです。
樹海の異形の者たちといい、壬生には一般社会で生きていけない者たちを擁護しようとする包容力がある。
それは一族自らが特殊能力を持った、はみ出し者であるが故に。
太白の言わんとする信念もわからないでもないけど、今の壬生や一族を束ねる紅の王は変わってしまったというが…。

そして今後の展開を大きく揺るがす秘密がひとつ明らかになります。
それはゆやが幼少時に慕い、仇討ちをするキッカケとなった兄・椎名望について。
実は彼はゆやの本当の兄ではありません。
望はずば抜けた才能を持ったシャーマンであり、壬生一族のもとに連れてこられていました。
しかしそこで、望はある人物の過去に触れ、壬生一族の禁断の秘密を知ってしまったのです。
それで望は逃げ出し、奇妙な縁で捨て子のゆやを拾ったとのこと。
そんな衝撃の事実が太白の口から語られました。
謀らずもゆやは望と出逢った時から、壬生一族に関わる運命にあったということですね。
ゆやには危険のない普通の暮らしをしてほしかったけど、もう足を踏み入れてしまったからには仕方ない。
それにゆや本人だって覚悟してのことでしょう。
この先どんどん伏線が回収されていくことを期待します。



SAMURAI DEEPER KYO(20) (少年マガジンコミックス)

SAMURAI DEEPER KYO(20) (少年マガジンコミックス)

  • 作者: 上条 明峰
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/03/14
  • メディア: コミック


壬生を必要悪として
護ろうとする闘神・太白

情の力を信じ、すべての者の
平和を築こうとする紅虎

第四の二人の優しき漢
信念をかけてぶつかり合う――!!
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