SSブログ

星の大地に降る涙

今回は趣向を変えて(?)NACSではない舞台です。
音尾さんが出てるので、NACSも全く無関係ではないのですが…。
キッカケは、三浦春馬くんの初舞台とのことで、気になったのです。

地球ゴージャス、記念すべき10作品目の舞台。
地球ゴージャスとは、94年に岸谷五朗さん・寺脇康文さんの二人により結成された、演劇ユニットです。
これまでも数々の才能を迎えて、斬新なコラボレーションで世の中に新しい作品を提供してきました。
歌やダンスをふんだんに取り入れたエンタテインメント性の高いステージで、
私も地球ゴージャスの作品を観たのは初めてなんですけれども、
これほど見ごたえがあるステージだったとは!と、ひとり感動しておりました。

今でこそ2.5次元だとか、エンタメ重視の舞台はたくさんありますが、
その当時からこういう舞台を作っていて、時代の先駆者と言っていいと思います。


物語は、満点の星の中、三浦春馬くん扮する若者が空から降ってきます、
木村佳乃さん扮するステラという女性に必死に助けられるも、記憶をなくしていた。
そして、若者は「シャチ」と名付けられた。
シャチはその部族=タバラにとって、幸運をもたらす動物だから。
だけど本当に、幸運はもたらされるのか。

地球ゴージャスの反戦3部作のうちの第2章に位置付けられた作品です。
なので、ものすごく考えさせられる作品ではあるのですが。
でもそのエンタメ性のおかげで、重苦しくなり過ぎずに作品に入れるのです。

部族といえば、音楽。
音楽を愛する部族ってリアルに多いですけど、タバラも同じ。
ところどころにミュージカルパートがあるのですが、
出演者全員での合唱には毎度圧巻です。

歌だけじゃなくて、ダンスもスゴイ!
岸谷さんがあんなに踊れるとは存じませんでした。

そして、その岸谷さんに引けを取らない春馬くん。
本当に舞台初なんですか?っていうくらいキレッキレのダンスで。
そうかと思えば、記憶をなくした苦悩を表現する舞にも見入ってしまって、
この表現力の幅は、当時19歳だとは思えない!
きっとお芝居に真摯に向き合ってきた賜物なんでしょうね。

タバラのヒロイン、ステラを演じる木村佳乃さん。
愛情深く、人を癒す力があって、部族のためを思ってまとめていく。
柔らかさの中にある芯の強さというのが、彼女にピッタリです。
木村佳乃さんといえば、「さくらん」の時も思ったのですが、
かなり体を張った演技をする女優さんです。
今回もそうなのですが、出産のシーンはもう圧巻でした。
出産を舞台の上でこんな風に表現するなんて、目からウロコです。

TEAM NACSから音尾さん。
直前まであの下荒井の公演をしてからの、この舞台。
役者は体力勝負ですね。
NACS以外での音尾さんを初めて見たのですが、
今回はなかなか厳しい役どころだったのです。
NACSでもその貫禄で(?)、ピリッとした役を演じることはあるのですが、
今回はストイックさもあって、カッコイイ!
立ち回りのシーンではバク転が見られます。
そういえば音尾さんは新体操部出身でしたね!

そういう役回りなので、ギャグシーンが少な目なのですが、
唯一遊べるところがありました。
それは岸谷さん演じるトドを、うっかり馬扱いしてしまうところ。
そこで岸谷さんから逆襲に合うのです。
執拗なアドリブに、とうとう音尾さんがふき出す!

演出家であり役者でもある岸谷さん。
作品づくりという点においても、表現にしても、
本当に自由な発想でやっていらっしゃるのがわかります。
トドという役は、シャチと同じくタバラのもとに辿り着いた和人。
同じく記憶をなくしているのですが、苦悩するシャチとは対照的に、
わりと柔軟なキャラなので、遊びが利きます。
だからもう岸谷さんやりたい放題!演者としては楽しいだろうなぁ。

同じ境遇のシャチとはあまりに待遇が違ったり、自虐ネタが満載です。
台詞の途中での容赦ない暗転なんて、演出家を兼ねてるからこそのあうんの呼吸でしょう。
効果的な演出でした!

随所に出てくる岸谷さんと寺脇さんのコントシーン。
本当に仲が良くて、安心して絡んでる感があります。
おそらくほとんどアドリブなのだろうと思うのですが、
何やってもお互いがしっかり処理してくれる。
これぞまさに「相棒」です。←寺脇さんだけに。

ちなみに寺脇さんが演じるザージャは、寺脇さんらしさを活かしたゆるキャラ。
部族内では慕われる一方、奥さんのメリューからは尻に敷かれているという、
わかりやすいキャラです。
その設定があるからこそ、ラストが響くんですよね。
あまり詳細は書けませんが。

と、ここまでメインの役者さんのお話をしてきましたが、
他にもインパクトあるキャラが続々。
かかあ天下のメリューはもちろん、
若いのに長老とか、ステラの妹シーナ、トドに惹かれたアンジュリ。
愛する男を待つ女たち。頼りになる男たち。
独特な部族を構成するのに集まった、個性派の役者たち。
そんなメンバーで繰り広げる、エンタメ満載の豪華な舞台です。

エンタメ好きな私が一番好きなのは、クライマックスの演奏シーン。
ステラの笛、ザージャの太鼓、トドの三味線、そこにシャチの歌声。
みんなでセッションするシーンがあるのですが、そこには深い意味があって。
「タバラのリズムと和人の楽器が融合」したのです。
この迫力の演奏には圧巻!
そして岸谷さんの津軽三味線の腕前にも脱帽です。
岸谷さんは何でもできる芸達者さんですねぇ~。

最後は主題歌であるEXILEの「愛すべき未来へ」を、
シャチ演じる三浦春馬さんと、ステラ役の木村佳乃さんが熱唱します!
そこに出演者全員の合唱となっていくのですが、
振り向いた時の春馬くんの表情がもう何とも言えない良い表情をしていまして。
これ普通に舞台を観ていたら後ろ向きになってしまって見れないのですが、
DVDではきちんとその表情をおさえていてくれたのです。
よくぞ撮ってくれた!こういうところがDVDの良いところですよね。

見どころ満載のこの舞台、細かいところまで目が離せません!





あらすじを読む


タグ:三浦春馬
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

Where's My Potato?

CMやテレビでもよく耳にする「ワタリドリ」で有名になった[Alexandros]ですが、
当時のバンド名は[Champagne](シャンペイン)として活動していました。
改名後は、[Champagne]名義のアルバムも全て、[Alexandros]として再発売されていて、
さすがに私もこの頃の彼らのことはわかりません。
ただ、当時誰にも注目されなかった彼らが、今作リリーズ後には様々なメディアを巻き込み、
ネットや口コミでどんどん名が知れ渡り、様々なロックフェスへの参加も決まるなど、
耳ざとい音楽通の間では話題になっていて、
今作が彼らの転機となったアルバムであることは間違いありません。

彼らの特徴は、まるで洋楽のようなハイセンスな音楽性とリリック。
すでに今作から今に通じるセンスを感じさせるものがありまして、
衝動的にカッコよく、突き動かされるものがあります。
1曲目のインストのオープニングなんて、まるで映画のようだよ。

ちなみに、収録曲の歌詞は全て、ボーカル川上さんの実体験だそうです。
そんなことも踏まえつつ(?)、レビューしていきます。

She's Very
彼女に何度もアタックするんだけど、そのやり取りが生々しい。
特に彼女の台詞がリアル。
ほとんど英詞の中で、その台詞部分は日本語なので、
耳にインパクトを持って入ってくるんですよね。
結果、彼女を手に入れるのですが、それは果たして…?

For Freedom
夢追い人の気持ち、わかるー。
みんなが普通に暮らしてる中、じっと耐えて生きてるんだよね。
いつか手にする未来を信じて。
今はまだ小さな音だけど、それがそのうち金の延棒になるんだって。
そしてどんな言葉よりも、それで認められることが心地いいことも。
全部わかるわ~。

Untitled
こちらもスターになるのを目指している。
輝けることを信じている。
頭の中にあるものが、思い描いた通りになるかわからないけど、
とにかく、プランを考える。
たとえそれが絵空事だとしても。
立ち止まってるヒマなんてない。

I Don't Know(who you are)
これは一体どういう状況なのでしょう?
カッコ良く英詞で歌われてしまうので、
そんなこともどうでも良くなってしまったり。

Yeah Yeah Yeah
ルイジアナ帰りで、
本場(?)のロックンロールを教えてくれます。
全部英詞でよくわからなくても、とりあえず一緒に叫んで盛り上がれる。
レッスンのようです。

Da la la la
陽気な曲調に見えて、なかなか過激に毒づいてます。
確かに、上で留まっているよりは、底辺にいた方が、
案外どこにでも行けるって正論かもしれない。
変なプライドとか捨てちゃえばいいんだよね。
それぐらいじゃないと、本当にやりたいことなんて手に出来ない気がする。

Wet Paint
さんざんな週末模様が描かれていますが。
私も週末の過ごし方が上手じゃなくてね。
何もできなくて結局充実しなかったなぁってことがしょっちゅう。
平日仕事して、週末もキラキラして…ってなかなかねぇ。

Don't Fuck With Yoohei Kawakami
タイトルに実名が入ってますが、そういうのも珍しい(笑)
実に彼らしい発想かと。

de Maxico
この曲もカッコイイのですが、私にとって印象的だったのは、
「どん底行きや天国行きのチケットは皆持ってるけど、
自分になるためのチケットは持ってない」ってこと。
他の曲でもあったけど、「自分を貫くこと」「自分らしさ」っていうのが、
わりと根底に通じているんだと思うんです。
思うに「自分を貫く」って、周りがいて初めて成り立つことであって。
周りとは違う「自分」、そのユニークさを認められなきゃいけない。
洋平さんは十分ユニークで、スタイルを貫いてます。

かえりみち
最後にこんなアットホームな曲がくるとは!
洋平さんの頭の中に渦巻く激しい思想や音楽で駆け抜けてきたけど、
ここで現実に帰ってきたような感覚でした。



Where's My Potato?

Where's My Potato?

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: RX-RECORDS / UK.PROJECT
  • 発売日: 2010/01/20
  • メディア: CD


収録曲をみる


タグ:Alexandros
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。