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新世紀エヴァンゲリオン 12

いよいよクライマックスに向かう、コミックス版エヴァ。
エヴァのエンディングっていろいろな解釈があるのですが、
コミックス版では、旧劇場版をベースに進んでいくようです。

で、この巻は、ちょうど旧劇場版の「Air」に当たります。
ただ、ちょこちょこ描写が細かかったりして、
コミックスの方がわかりやすいかも。

ネルフ本部に、戦自が侵略する。
非武装の職員などもいて、見るも無残に次々と殺されていく。
使徒との戦いにはプロフェッショナルでも、
人との戦いには慣れてないのでね。
日向が言っていますが、確かに使徒よりタチ悪いかもしれません。

その人間について、ミサトから衝撃の真実が語られる。
人間も、13番目の使徒であると。

それには、2つの「生命の卵」が関係します。
ひとつはアダム、そしてもうひとつはリリス。
アダムは地球自体が昔から宿していたモノであるのに対し、
リリスはその昔、ひとつの天体と共にこの星に落ちて、残されたモノ。
その出来事がファースト・インパクトの真相。

そして、アダムは自身を含む12の使徒を生み、
リリスも同じように1つの使徒を生んだ。
そのリリスによって生まれた側の使徒が、人間(ヒト)。

だから、他の使徒たちは、ヒトとはまた別の可能性だった言える。
ヒトの形とは異なった人類として。
劇場版では、聖書になぞらえて、
知恵の実を食べたのが人間、もう一方の生命の実を食べたのが使徒、
なんて表現をされてましたね。
個人的にはこっちの方がしっくりきたり。

ザックリ言うと、アダム系統の使徒たちと、リリス系統のヒト。
どちらがこの星で生き残るか、種の存続をかけた戦いだったわけ。
それに打ち勝つために人為的に仕組まれたものがセカンド・インパクトだった。
残念ながらそれは失敗に終わったわけですが、
それでも碇ゲンドウやゼーレは、サード・インパクトを起こそうとしている。
その狙いは、最後の使徒であるヒトを滅ぼし、新たな生命体へと進化させる。
それが、これまでずっと名前だけ聞かされていた、「人類補完計画」。

ゲンドウの思惑だけじゃなく、心の内がハッキリと描かれているのが、
アニメや劇場版とは違うところだなぁ、と。
ゲンドウは、息子シンジのことをどう思い、どう見ていたのか。

ゲンドウはシンジのことを愛しいと感じたことはない。
生まれた瞬間から、妻ユイの愛情を一身に受けるシンジが、妬ましかった。
母親なんだから、息子に愛情を注ぐなんて、当たり前のことなんですけど、
父親の中には、それを妬ましく思う心情はあるようです。
ただそれをいかに収めるか。
普通は父性が強く働いて収められるものなのでしょうが、
ゲンドウにはそれができなかった。
そこには彼の生い立ちが関係しているかもしれません。

他者から愛されず、愛する術も知らないゲンドウにとって、
唯一、光を与えてくれる存在となったのがユイだった。
ゲンドウはユイを一身に愛したが、
それはゲンドウが妻としてのユイしか認めてなかったことを意味する。
妻としてのユイだけを愛し、独占しようとしたエゴが、全ての元凶。
また、ゲンドウにとっての不幸は、その愛した人がいなくなり、
嫉妬の対象であるシンジだけが残ってしまったこと。
こうして、あの不健康な親子関係が説明されるのです。

エヴァという作品を見渡してみれば、
「親子関係」がしばしば象徴的に扱われていることに気付きます。

心神喪失状態に陥ってしまったアスカ。
このままでは命を狙われるので、ミサトの発案で、エヴァ弐号機の中にかくまわれます。
湖の底に配置された弐号機は、まるで羊水の中にいる胎児のよう。
エヴァに電源供給している「アンビリカルケーブル」は、へその緒という意味だしね。

エヴァのコアには、各パイロットの母親の魂が宿らせてあります。
アスカもその存在にやっと気づき、戦い始めるのですが…
この後の展開は見ていられないのですが、次巻に続きます。



新世紀エヴァンゲリオン(12) (角川コミックス・エース)

新世紀エヴァンゲリオン(12) (角川コミックス・エース)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2012/09/01
  • メディア: Kindle版



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