ザンサイアン

５年間の活動休止を経て、音楽活動を再開後はじめて発表したアルバム。
彼女は音楽シーンに戻ってくると信じていたのですが、
やっぱり戻ってきてくれた！というのが当時の印象でした。
この５年間で変わってしまうこともなく、以前の作風もしっかり継承されています。

タイトルの「ザンサイアン」とは、「人魚が見た真の碧」という意味の造語。
「ザン」というのが沖縄最古と言われる人魚の名前で、「サイアン」は英語のCyan（青）。
ジャケットは、Cocco自ら沖縄の染め織りの布を切り貼りして作ったもので、
人魚や碧をイメージしたアートとなっています。


音速パンチ
音楽活動を再開した最初のシングル曲です。
復帰して、颯爽と歌う姿が清々しい。
髪がショートになったので、少し印象が変わりました。

暗黙情事
最後の、悲鳴に近いシャウトの連発には、魂を揺さぶられます。
ここに彼女のエネルギーがつまってる。

夏色
夏らしい音色で、涼しげなアレンジに仕上がっている曲。
カラッと晴れた日に聞くと良さそうです。
沖縄育ちの彼女には、やっぱり夏が似合いますね。

Beauty C
プログラミングを多用した音源で、活動休止前を振り返っても、
こういう曲は新鮮。
Coccoは昔、バレリーナを目指していたそうですが、
それまで音楽のイメージしかなかったから、踊り子になりたかったというのが意外で。
でも音楽に限らず、身体のあらゆる部分を使う、根っからの表現者なんだな、と思いました。
そんな彼女の才能がうらやましいです。

四月馬鹿
いわゆるエイプリルフール。
かといって、人を面白がらせる類の曲ではないのですが。
どちらかというと、ちょっと切ない４月を迎えた人の曲です。
嘘だったらいいのにね、そうもいかないのが現実。

Swinging night
冒頭で聞こえるタップダンスの足音は、Cocco自らが踊っているもの。
ＣＤだと音しか聞こえないので、実際のパフォーマンスが見れないのが残念ですが、
当時Ｍステに出演した時に披露してくれました。
さすがバレリーナを目指していたというだけあり、華麗なステップでしたよ。

野火
赤裸々な歌詞で、活動休止前を彷彿とさせる。
やっぱり５年経っても、変わらない部分もあってほっとしました。

唄い人
愛を届け、安らぎを与える、唄い人。
想いはいつも、聴いてるそれぞれの心に届きます。

愛うらら
悔やんでも悔やみきれない一途な想いが伝わってきて、
胸が痛くなります。

インディゴブルー
これぞ、Coccoの王道ロック！
あの細い身体のどこから、こんなエネルギッシュな作品が生まれるのかと、
毎回驚愕しております。
沖縄料理屋さんとか行っても、沖縄独特の「藍色」ってありますよね。
海の色のように深く趣があって。うまく表現ができないんですけど。
個人的にとても好きな色です。
もし私がかりゆしを着る機会があったら、そんな藍色のものにしたいな。

陽の照りながら雨の降る
沖縄色の強い楽曲。
琉球民謡に通ずるあの歌い方は、地元の人じゃないとなかなかできないですよね。
なので私にはうまく歌えないのですが、その分、聞いてて癒されます。
いち早く梅雨入りする沖縄。
でも、関東地方の憂鬱な梅雨とは違い、
沖縄の場合は、季節の移り変わりを報せる恵みの雨のように感じるのが不思議。
まぁ、当の沖縄の皆様はそんなこと思ってないのかもしれないけど。

Happy Ending
「ムラサキの雲」とはどんな雲なんだろう。
晴れてるのに雲が出ていて、光が反射してるのかな。
天気雨の時に出てる不思議な雲のことかな。
などと、いろいろ想像してみる。
天気雨なら必ずその後は晴れるわけで、運が良ければ虹が見えるかもしれない。
前から思っていましたが、同じ雨でも天気雨の時は憂鬱な気分にならないんですよね。
「そんなこともあるんだー」って、ちょっとした幸運に出会えた時みたい。
こうして小さな幸福や笑顔を重ねていきたいです。

ザンサイアン

• アーティスト: Cocco,根岸孝旨,長田進
• 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
• 発売日: 2006/06/21
• メディア: CD

１．音速パンチ　 https://youtu.be/A8VG9Z4p8FQ
２．暗黙情事
３．夏色
４．Beauty C
５．四月馬鹿
６．Swinging night https://youtu.be/6y1tA8aW6Js
７．野火
８．唄い人
９．愛うらら
１０．インディゴブルー
１１．陽の照りながら雨の降る　 https://youtu.be/RT6vVRyehjA
１２．Happy Ending

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