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Dr.コトー診療所 5

この巻は本当にいろいろと考えさせられることばかりでしたね。
医者はただ病気を治すだけではなく、患者の人生に寄り添い、生き方を見つめるものなんだと。

突然、島にやってきたのは、末期癌の古川先生。
この方はかつて、古志木島で医師をしていた方で、自分の余命が長くないことも知っていますが、
あえてこの島に来たのは、「死ににきた」という。
コトー先生が開腹してみても、もはや手遅れの状態でした…。
これでは本当にこの島で死を待つだけになってしまうのか!?と思っていたところ、
たまたま切迫流産の危険がある妊婦が運ばれてきます。
古川先生も急遽、手伝うことに。
余命わずかで死にゆくだけの老医師にとって、新たな命の誕生は大きな影響を与えたのでしょう。
考え方も変わり、ご家族のもとで余命を過ごすこととなりました。
どんなに余命が短くて、命があとわずかしかなくても、まだ生きてさえいればできることはある。
少しでも長く生きるだけで、家族を幸せにできるんだなぁ、と。
命ある日々を大事に過ごしたいと思った。

島をリゾート地として開発しようとしてやってきたのは、ホーネン開発の重野さん。
彼は幼少の頃、武本という名で島で過ごした人でした。
幼少時、海に転落する事故が起きて、それがもとに生じた誤解で人間関係に亀裂が入り、島を出て行くことになってしまったのです。
それ以来、彼は島や島民を怨み続けて生きてきました。
誤解というのは、重野さんはずっと「原さんの兄が海に転落して溺れていたところ、重野さんの父親が助けに入ったが二人とも溺れてしまった」と思い続けていましたが、
真実は「転落した重野少年を、父親と原さんの兄が助けに入ったが、二人は波にさらわれてしまい、自分だけが助かった」というものです。
私も心理学をちょっとだけかじったことがありますが、人は恐ろしい体験やトラウマを体験すると、真実とは異なる内容を記憶してしまうそうです。
それは一種の防衛本能で、認めてしまうとあまりにも辛い事実から、自身の心を守ろうとする機能。
当時の重野少年には、悲しみややりきれなさだけでなく、自分だけが生き残ってしまった罪悪感が無意識の中にあったんだろうなぁ。
今回はたまたま冠状動脈の狭窄が見つかり、手術によって、それまでパニック障害によるものだと思われていた発作もおさまるので、これから先は明るい人生を送ってほしいですね。
そして古志木島はリゾート開発なんかしなくても、平和な日々が続いていくよ。

最後のエピソードはほのぼのしていて心が温まりました。
1話完結なので、読み切りのようにサクッと読めちゃうハートフルストーリー。
夏美ちゃんが大事にしていたぬいぐるみが、車にひかれてボロボロになってしまうのですが、
コトー先生が手術で治してくれるのです。
ぬいぐるみも針と糸があれば直せますもんね。
さすがコトー先生!機転が利く!!
前から思っていたのですが、外科のお医者さんって、裁縫も上手なんですかねぇ?

星野さんが大活躍するお話もありましたよ。
講演会で留守にしたコトー先生のかわりに診療所に詰めていたのですが、こんな時に限って集団食中毒発生!
医師じゃないのでできることが限られるし、勝手な判断でも動けないから、複雑な立場ですよね。
それでも星野さんは冷静に頑張ってました!!
内さんのサポートもあったけど。
煎じ薬のつくれる内さんは、こういう時には心強い!何せ、処方箋なしでよく効くからね(笑)
これを機に星野さんは医師免許をとりたい!と決意したのです。
目標がある人って素敵!!
私もささやかながら目標を見つけたのでがんばるよ☆


Dr.コトー診療所 (5) (ヤングサンデーコミックス)

Dr.コトー診療所 (5) (ヤングサンデーコミックス)

  • 作者: 山田 貴敏
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2002/03/05
  • メディア: コミック


絶海の孤島・古志木島の小さな診療所で
数々の難手術を成功させるDr.コトーこと五島健助。
ある日、「この島に死にに来た」という末期癌の老人が現れる。
彼は41年前にこの島で働いていた医師であった。
延命のためのオペなら断るという彼を持てあますコトー。
そんな時、診療所に切迫流産の妊婦が運ばれてくる。
生まれくる命を前にコトーと老医師がさとったこととは?
奇跡と感動の離島医療物語。
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