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Dr.コトー診療所 4

コトー先生が昔、大学病院に勤めててそこで色々あって…というのは2巻で明かされた話。
今回、その大学病院の外科部長から突然の連絡があり、難しいオペの執刀を依頼されるのです。

患者は高名な政治家。
病状はスキルス胃癌で、普通なら手術を避けるほど進行していたのです。
しかし相手が相手なだけに、どうにかこの手術を成功させて名を挙げたいという奥村部長は、
腕の良いコトー先生に何としてでも執刀させようと、いろんな手段を試みる。
患者さんのお孫さんの手紙をコトー先生に渡すなんて卑怯な手まで使って。
自分の利権のために他人の心を操作するなんて。
コトー先生と同じ医者だとは思えない。

おまけに過去にコトー先生の部下だった三上先生。
当時は研修医で、コトー先生は彼の医療ミスの責任をとるかたちになったのですが、
時が経ち、自信をつけた三上先生は、コトー先生を見返してやろうと誓うのです。
今回、コトー先生のサブに回った三上先生は、途中からでもオペの主導権を握ろうと、誤った検査結果を伝えたり。
フェアじゃない。戦うなら堂々と戦いなさいよ!

人は高度な技術を手にすると、何でも治せる!って思うのかな。
そしてその驕りが、医者としてだけでなく、人として貶めていると思う。
実際の大学病院がどうか、なんてわからないけど。
余談ですが、個人的に私も街医者さんの方が好きです。
総合病院に行っても検査ばっかり受けさせられて、時間と費用もかかる割にたいしたことなかったり。
それに比べて街医者さんは要点だけパッと診てくれるから。
私の場合、幼い頃からかかりつけのお医者さんなんで、なおさら安心です。

話がそれましたが、コトー先生は最新技術に頼ることなく、自分の手技でオペを成功させます。
無欲の勝利といったところですが、コトー先生にとっては当たり前のことをやったまでに過ぎないのでしょうねぇ。


もう一つの大きなエピソードは、エキノコックスに感染した奥田さんの話。
エキノコックスって聞いたことはあったけど、潜伏期間が15~20年もあって、あんなに恐ろしい発症の仕方をするなんて知らなかったな。
修学旅行で北海道に行った時にキタキツネ見たけど、絶対触るなって言われたのは、このためだったのね。

大学病院へ行ったコトー先生がもう戻ってこないと思い込んだ星野さんのツンデレ具合がかわいかったです。
帰ってきてくれて良かったね。
コトー先生はこの島にいなきゃダメだし、島がコトー先生を育ててくれてる部分もあると思う。
それはコトー先生自身が、高度なスキルを持っていても驕ることなく、常に患者さんにとって一番の治療法が何かを考える人だから。
この島に医者はコトー先生ただひとり、全島民の命がかかってるって思ったら相当な重圧だけど、
目の前の患者さんに全力で向き合うこと、ただそれだけのひたむきさでやるしかない。
これには接客業の私も同感。
さすがに相手の命がかかってはいないけれども、相手のために思うことは一緒。
それはやがて相手にも伝わり、心から喜んでもらえた時、やってて良かったって思うんだよね。
三上先生も患者さんと交流して、温かいお医者さんになれたらいいね。


Dr.コトー診療所 (4) (ヤングサンデーコミックス)

Dr.コトー診療所 (4) (ヤングサンデーコミックス)

  • 作者: 山田 貴敏
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: コミック


絶海に浮かぶ孤島・古志木島の小さな診療所で
数々の難手術を成功させるDr.コトーこと五島健助。
そんな彼の元に、彼がかつて在籍した、
東京の天津堂大学病院の第一外科部長・奥村が現れ、
ある高名な政治家のスキルス胃癌のオペの執刀を依頼する。
大学病院関係者の利権、出世……様々な思惑がからむ
そのオペの成功率はわずか。それでもコトーはメスを握った!!
奇跡と感動の離島医療物語。
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