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Dr.コトー診療所 2

ドラマにもなったので有名であろう、雑誌記者のエピソードです。
記者はコトー先生の暗い過去を吹聴してまわり、
純粋な島民たちの信頼を奪ってしまうのです。

それはコトー先生がまだ大学病院に勤務していた頃のことでした。
一瞬の判断ミスによって失われた命。
誰よりも悔やんだのはコトー先生でしょう。
拭い去ることのできない過去を、コトー先生自身も隠すつもりではなくて、
贖罪のために島にやってきたのではないか?と思うのです。

この島に医者は一人。
大学病院のように、患者を分担することはできない。
治療法も優先順位も、全部自分で判断する。
島民全員の命が一人にかかってると思ったら、かなり過酷だと思います。
それでもコトー先生は、島民ひとりひとりときちんと向き合って、信頼を築き上げていくのです。

島にやってきた記者は、土砂崩れに巻き込まれてしまいます。
3年前にも事故に遭い、島でもまた災害に遭うなんて、因果な人だなと思ってしまった…。
ただ、この土砂崩れ、一人で遭ったのではなく、コトー先生をかばうために説得ししにきた島の子どもたちまで巻き添えに!
クニちゃんは意識を失うほどの重症を負ってしまいますが、記者も脳を損傷していた!
何を優先すべきか…ここでもまたあの時のデジャヴかと思うような状況。
コトー先生が試されている!!
大学病院とは違い、一人しかいない中、コトー先生は二人を救うことができるのか?
そして記者を納得させ、島民たちの信頼を回復できるのか!?
結果は是非とも読んでみていただきたい。

このエピソードで、信頼を築くのは大変でも、失ってしまうのは簡単なんだなぁ、とつくづく思いました。
医療に限ったことではなく、多くの企業やサービスに当てはまりますよね。
企業レベルに限ったことではなく、個人間でもそうだと思う。
期待や信頼を裏切らない、万が一何かあったとしても誠実でいたい。
コトー先生の「助けたい」というひたむきな心は、純粋な島民たちに響いたのだと思います。
純粋な熱意は伝わるんだなぁと、感銘を受けたのでした。

もう一つの大きなエピソードも、純粋な島民たちにつけこんだ(?)話。
島にゴミ処理場を誘致しようとした代議士が尿管結石で入院することになったのですが、
娘の策略で病名を伏せられ、すっかり重病と勘違いし、生き方を変えていく話。
政治家として思い上がった心の病は重かったようです。
この代議士の秘書が島の出身で、母親のもとへ挨拶に来たのですが、誤って母をはねてしまうのです。
大怪我をしても息子の仕事を気遣う母。
コトー先生のおかげで足を切断するまでには至らなかったものの、
代議士が入院してきた時には、早く良くなるようにと、治りきってない足で山を登り、お守りを買ってきたこと。
なんて健気で、純粋な人なんだろう。

自分のことを差し置いても、誰かのことを思いやる素朴な心。
都会で忙しくしているとつい忘れがちだけど、この島にはこういう純粋な心が溢れているんだなと思いました。
この島にはいつまでも、このままでいてほしいです。


Dr.コトー診療所 (2) (ヤングサンデーコミックス)

Dr.コトー診療所 (2) (ヤングサンデーコミックス)

  • 作者: 山田 貴敏
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: コミック


満足な医療設備も整わぬ孤島・古志木島で
数々の奇跡を起こすDr.コトーこと五島健助。
島民達の信頼をようやく手にした頃
島に一人の雑誌記者が現れて、コトーを糾弾する。
あっという間に離れていく島民達の心。
そんな折、その記者が崖崩れに巻き込まれた。
「硬膜外血腫」の可能性がある記者に対しコトーは…?
奇跡と感動の離島医療物語。
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